市によると、男性主任は一昨年秋以降、勤務時間外に同僚の女性職員の自宅を訪ねたり、インスタグラムで好意を示す内容の投稿をしたという。今年5月に女性職員が上司に相談して発覚。市は同日付(今月15日)で、保健福祉部長ら上司6人の責任を問い、文書訓告とした。市の調べに対して、男性主任は「セクハラに当たるとは思っていなかった」などと話しているという。
この事件にネットには、男性主任と市の両方に批判の声が寄せられている。「セクハラ、ストーカーをして自覚がないってヤバいよ! 処分の規定なんだろうけど、1か月は軽くないか?」「えぇ…5月に相談して公表が今!? 事情調べるのにそんなにかからないでしょ」「家を知られてるって怖すぎる…もっともらしく処分してるけど、被害にあった職員に対してはどんな対応をしたの?」などの意見もあった。
また、一方では「自宅に行っちゃまずいな。けど、インスタで舞い上がってるぐらいだったら許してあげて」「もしこの男が好みのタイプだったらどうだったんだろう? まぁ職場だし、受け手側の気持ちが優先されるだろうけどね」など、部分的ではあるが、男性主任に同情の声もあった。
たびたび報道されるセクハラ行為だが、具体的にどのような基準が設けられているのだろうか。過去をさかのぼると、2016年1月、某テレビ局の男性アナウンサーが、局で働く制作会社所属の女性にセクハラ行為をしたとして自宅謹慎処分になった事例がある。男性アナは既婚者であり、制作会社の女性社員に対し、しつこく食事に誘ったり交際を迫るメールを送るなどしていたようだ。
この件について、弁護士・法律ポータルサイト『弁護士ドットコム』では、「セクハラとは、職場において、相手の意思に反して“不快や不安な状態に追い込む性的な言動”を取ること」であり、性的言動を受けた労働者がそれを拒否した場合に「“就業環境が害される”ようなケース」を指すと解説している。こうした男女雇用機会均等法の規定から「身体に触ることなどはもちろん、食事やデートへの執拗な誘いも“性的な言動”にあたる」という。また、「(誘う側が)既婚者である場合、交際に応じれば“不貞行為”」だと判断され、「誘いの意図が、真剣な恋愛感情にもとづくものかどうか判断できにくい」ため、よりセクハラ行為に該当する可能性が高まるようだ。
例え純愛であっても、職場では適切な距離感を持って接した方が賢明と言えるだろう。