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ラジオNIKKEI賞(GIII、福島芝1800メートル、7月5日) 遅れてきた大物イコピコが勇躍出陣

 今年に入り、続々と活躍馬を送り出している種牡馬マンハッタンカフェ。自身は3歳の春まで体質が弱く、夏過ぎから一気に素質を開花させると、菊花賞、有馬記念制覇まで駆け上がった晩成型だった。そんな父の特性を色濃く受け継いでいるのがイコピコだ。

 「デビュー当初は馬が弱くてね。期待通りの走りにはほど遠かったんだよ」。西園調教師は15着に終わった昨年11月のデビュー戦を懐かしそうに振り返った。
 今の充実ぶりからは信じられない凡走だったわけだが、転機になったのがその直後の放牧だったという。「思い切って休ませたおかげで、体つきが変わり、ハミ受けまで良くなったんだから」。急がば回れ。この格言を地でいく変身ぶりだった。

 そんな秘めた素質をはっきりと示したのが前走の白百合Sだった。3番手からあっさり抜け出し、上がり3Fは33秒8の鋭さ。器用で切れる文句なしのレースぶりに「強いレースだったね。確実に33秒台の脚を使えるのが長所で、タイプは違うけど、うちのエイシンタイガーみたいな末脚がある」とCBC賞2着の実力馬を引き合いに出した。
 しかも、そのレースで2着に下したヤマニンウィスカーが札幌で行われたハイレベルの古馬1000万特別を快勝。イコピコの存在感をさらに押し上げた。
 「坂路の1週前は計時不能だったけど、動きは良かった。順調にきているのが何よりだね。小回りへの対応力はすでに示したし、慌てず外々を回ったとしても十分間に合うはず。まあ、どんなレースでも大丈夫、勝てると思うよ」
 揺るぎない自信。荒れるGIIIとして定評あるレースだが、今年は穴党が沈黙させられそうだ。

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