『ウインスペクター』は『宇宙刑事ギャバン』(1982年)から始まる通称『メタルヒーローシリーズ』の第9作にあたり、シリーズの中でもトップクラスの関連玩具セールス記録を成した人気作品である。放映時より20周年を迎えた本年度には初の全話収録DVDも発売されている。
話は戻って「ギガストリーマー」なのだが、『メタルヒーロー』最大級のヒットとなった『ウインスペクター』のクリスマス商戦の目玉として登場した本アイテムは、劇中だけではなく玩具市場も大いに賑わせることとなった。
『ウインスペクター』の人気を受け、翌年には第二作『特救指令ソルブレイン』が放送。この『ソルブレイン』には前作『ウインスペクター』のキャラクターがゲストで登場するだけでなく(※ウインスペクターの主役・香川竜馬は中盤よりレギュラー出演)、なんと「ギガストリーマー」がソルブレインの新しい武器としてウインスペクターから“継承”されるのである。
玩具市場においても「ギガストリーマー」が“ソルブレイン・ロゴ仕様”として復活。前年度作品の主力商品が翌年もリニューアルリリースされるのはかなり珍しい事である。
ところが、話はこれだけでは終わらない。『ソルブレイン』翌年放送の『特捜エクシードラフト』(1992)をまたいで、『特捜ロボ ジャンパーソン』(1993)において「ギガストリーマー」はカラーや細部を変えた「ジャンバルカン」として登場するのである。
同じ形をしたアイテムがこんな短期間に新商品として連続的にリリースされる例は殆どない。
「ギガストリーマー」は玩具売上の数字に限らず、色々な意味で玩具の歴史に残る名アイテムなのである。
(小野寺浩 山口敏太郎事務所)
【参照】山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou