その理由は「カーネーション」に出演した俳優Kが、2月に強制わいせつなどの疑いで逮捕されたため。NHK広報局は「出演シーンをカットして放送することも検討したが、総合的に判断した」と説明している。
「カーネーション」の再放送は4月8日から半年間で、月〜土曜日の午前7時15分から7時30分まで放送の予定だった。当初「純情きらり」をオンエアするはずだった月〜土曜日の午後7時からは、代わりに「てっぱん」が再放送される。
「カーネーション」(尾野真千子/夏木マリ主演)は11年10月から12年3月に放送され、全26話の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)19.1%を弾き出した人気の朝ドラ。俳優Kは、枡谷幸吉(トミーズ雅)が経営する枡谷パッチ店の職人・岡村役で出演していた。
俳優Kは1月10日、東京都江戸川区内の路上で10代の女性に「芸能関係の仕事をしている。紹介したい人がいる」などと言い、少女を車に乗せて約20分間連れ去り、同区内の路上に止めた車内で、体を触るなどわいせつな行為をしたとして、わいせつ目的誘拐や強制わいせつなどの疑いで、2月20日までに警視庁小松川署に逮捕された。
予定されていた「カーネーション」の再放送が中止されたことで、同番組を楽しみにしていた視聴者は大いに落胆したに違いない。あくまでも、過去に放送したドラマの再放送であり、その判断には賛否両論が出るところ。俳優Kの役どころはチョイ役で、目立つほどの存在ではない。NHKとしては、予定通りに「カーネーション」を放送して、視聴者から苦情が出ることを回避した格好。
俳優Kクラスの役者のために、放送予定の変更を余儀なくされたNHKにとっては、踏んだり蹴ったりというところか…。
(坂本太郎)