結党当初は「旋風を巻き起こす」と息巻いていた渡辺喜美代表だが、時間の経過と共にワンマンぶりを露呈。それを有権者に見破られてからは党の支持率が急降下したのはご周知の通りだ。
昨年12月には、側近であった江田憲司幹事長(当時)を事実上の“クビ”。それを受けて、“江田派”であった党員13人の合計14人がみんなの党を飛び出し『結いの党』(厳密には無所属1人を加え15人)を結党。逆にみんなの党と対立する形となった。
今や見るも無残な惨状のみんなの党。悲しいかな一首長選挙では済まされない東京都知事選(2月9日投票)には候補者を立てられないばかりか支援者まで決められず、大混乱。結局、党の方針は「自主投票」という何とも存在感が無い格好となった。
「党は“政策の政党なので人では無く政策ありきだ”と強弁しておりますが、自主投票は党内事情とみて間違いない。舛添要一候補には自民党と公明党。細川護煕候補には民主、生活、結いがバックアップしている。まさか、社民・共産と共闘する訳にはいかず宇都宮健児候補を推せない。本来ならば、舛添氏にくっつきたいのでしょうが、自民党の支援は東京都連だけ。党全体を挙げての支援で無いところにみんなの党が党を挙げて、すり寄れないのです。片や細川陣営には“昨日の友は今日の敵”結いがいる…。渡辺代表は自らのプライドを守る選択をしたと言っていいでしょう」
と語るのはスポーツ紙の社会部デスクだ。
なるほど、そう考えると「収まり」のいい話だが、このプライドは却ってマイナス作用するという見方もある。
前述のスポーツ紙社会部デスクがこう解説する。
「結局、存在感が示せなくなる。テレビや新聞、週刊誌などで候補者と支援政党はセットで報じられますからね。大阪が拠点の『日本維新の会』は自主投票でもダメージは無いでしょうがみんなの党は永田町が本拠地。ましてや渡辺代表のお膝元は栃木で東京と同じ関東ブロックです。この自主投票は党の存在価値を失くす可能性もありますね」
とはいえ、そこは政治家。渡辺代表もその辺の危機感は募らせている様だ。
何と、渡辺代表は都知事選で踏んだ後手を国政で取り戻すべく、今度は安倍晋三首相といち早く共闘を宣言。「みんなの党の政策を採用してくれたら」の条件をチラつかせながら政策協議をする方針を固めたのだ。
記者団には「すり寄りでは無い」と語気を強めた渡辺代表だが、その真意や如何に−−自民党内からも「暴走列車」と陰口を叩かれている安倍首相を上手にハンドリング出来たら一発逆転も夢ではないのだが…。
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