スーパーカブとは、自動車メーカーHondaがちょうど60年前に売り出した小型バイク。小回りも良く未舗装道路にも対応している。さらには乗り降りしやすいなど、当時のホンダの技術の粋を集めたその1台はまたたく間に世界を席巻。その売り上げ台数は累計1億台とも言われている。
新聞配達の配達員がよく乗っていたこともあり、ある世代にとっては懐かしいスーパーカブだが、種子島では現役バリバリ! 青春真っ盛りの高校生の足となっているのだ。そんなレトロでタフなヤツが、種子島で重宝されている理由とは……?
まず、この地には電車もなく、バスの本数も少ない。さらには学校に通うためには急な坂道を延々と上っていく必要があるという。林道、山道、獣道……。あらゆる難所を軽々と乗り越えるスーパーカブの面目躍如である。
だが、思い浮かべてみてほしい。緑あふれる森を抜け、青い海を通り過ぎ、さらには白い砂浜を横目に見ながら走るスーパーカブを。そして、それに乗る、勉強に、恋愛に、部活にとまい進する高校生の姿を。鹿児島には屋久島という世界遺産があるが、その景色こそが貴重な風景遺産ではないだろうか。
さらにここには、素敵な話が。なんと高校生が乗らなくなったスーパーカブは、弟、妹、後輩に脈々と受け継がれているという。泣かせるではないか。
今回、本田技研工業株式会社は種子島のカブライダーたちに感謝を伝えるため、「カブに乗ってくれてありがとう。」というコピーを引っさげ、尾崎世界観がボーカルの人気バンド・クリープハイプとコラボ。書き下ろしの楽曲とミュージックビデオを公開している。世界に誇るリーディングカンパニー・ホンダ、そして創業者・本田宗一郎のDNAが詰まった夢のバイクが、今日も種子島を駆け抜けているのだろう。