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中高年ネット婚活の実態/婚活サギ女「金目当て」と供述

 埼玉県警に結婚詐欺などの疑いで逮捕された無職女(34)=東京都豊島区=の知人男性が相次いで不審死した事件で、女が詐欺容疑について「金に困り生活を維持するためだった」と供述していることが31日、捜査関係者への取材で新たに分かった。舞台となったのはネット上の「婚活サイト」で、事情通によると、出会いを求める中高年男性の金品を狙う“蜘蛛女”を見分けるのは難しいという。その実態と回避策は。
 
 やはり金目当てだった。女は定職に就いた形跡がない一方で、高級外車ベンツを乗り回し、一流レストランで食事をするなど派手な暮らしをしており、県警はこうした生活を続けるために詐欺を繰り返したとみて、裏付けを進めている。女が住んでいた豊島区池袋のマンション周辺のコンビニ店員は「やっぱりあのマンションですか。たぶんこの店にも来たことがあると思うんですけど、最近の顔をみないと分からない」と興味津津の様子だった。この手合いの女に、どうすれば引っかからずに済むのか?
 「女性に免疫のない男性の場合、恋愛事情に精通した友人や知人の助言が絶対に必要です。自分が受け入れられるかばかり気にしてしまい、相手をチェックする余裕がないからです。ところが中高年男性は、それなりにプライドもあるため隠したがるケースが多い。急にサカリがついたようにみられるのは恥ずかしいのです。“蜘蛛女”の思うツボです」(事情通) 婚活サイトや出会い系サイトなどネット上で網を張る“蜘蛛女”は、同時に複数の男性を相手にするためメールでのやりとりに執着するという。
 前出の事情通は「複数の男性相手にあることないことしゃべっていると、そのうち辻つまの合わないことを言ってしまう。その点、メールは記録が残るため確認しながら打てます。女にも生活がありますし、まとめて処理できるメールは使い勝手がいいのです」と解説する。
 主な手口は、相手をいい気分にさせる軽い褒め言葉を連発。質問内容は仕事の話が中心という。「懐具合を探りたいのです。過去の恋愛経験や友人の話など、人柄を知ろうとする質問はまず出てきません。家族構成にも関心ありませんが、男性の気を引くため、親との同居話に踏み込んだり、健康面を気遣ったりするから難しい」(同)

 やりとりを重ねるうちに正常な判断力を失い、いったん乗せられたあとでは取り返しのつかないことが多いという。
 捜査関係者によると、女は学生や専門学校生としてサイトに登録、男性と知り合うとすぐサイトを通さず連絡を取り合うようにしていたとみられる。こうなると運営側にもチェックのしようがなく、やりたい放題だ。
 30代前半の男性の未婚率が50%に迫り晩婚化が進む一方、ITが普及しサイトで出会いを求める年齢層は拡大の一途をたどっている。国立社会保障・人口問題研究所の統計によると、2005年時点の30〜34歳の男性の未婚率は47.1%。10年前と比べて9.8ポイント上昇しており、結婚の平均年齢は年々上がっている。
 ネットで「結婚 出会い」と検索すると約1680万件がヒット。婚活支援サイトの中には、本人確認もなく、出会い系と区別がつかないものも多い。前出の事情通は、「“蜘蛛女”にひっかからないよう、恥ずかしがらず第三者に相談することをお勧めします」と締めくくった。
 
 大手婚活サイト「エキサイト恋愛結婚」には約3万人が登録。女性は月会費無料だが、男性は1890円。サイト上で気に入った相手にメッセージを送り、意気投合するとメールアドレスや電話番号を交換し、やりとりする仕組みだ。
 運営するエキサイト(渋谷区)の広報担当者によると、男女とも半数以上が30代で、男性の場合は40代以上が約3割を占める。会員の85%は結婚歴がないが、離婚や死別し、再婚相手を求める会員も増えている。サイトでは異性との付き合いに慣れていない人向けに、「相手の食事のペースに合わせる」などと、メールでのやりとりや初デートのときのアドバイスを手取り足取り教えるコーナーもある。
 エキサイト担当者は「悪質な『出会い系』のイメージをぬぐうために、さまざまな取り組みをしてきた」と話す。入会時には免許証や保険証で本人確認。違法行為を防ぐため、専門スタッフが24時間体制でサイト上を監視し、不審な会員を通報する機能もある。
 今回のような詐欺事件の防止策については「会員に対し、会うときの注意点を周知していくしかない」としている。
 別の婚活サイト「ヤフー!縁結び」でも、「いきなり金の無心をする」などといった悪質事例を紹介し、注意を呼び掛けている。

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