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キャバ嬢が生まれる瞬間(19)〜留学するためにキャバ嬢になった女〜

 川上美咲(仮名・22歳)

 今、大学生なんだけど、早くアメリカに留学したい。特に何がしたいってわけじゃないけど、とにかくアメリカなら私をなんとかしてくれるんじゃないかって思うんだよね。子供の頃から外国に憧れてた。そのためにはキャバクラでお金を貯めなきゃいけない。

 留学のために夜の世界で資金を貯める子は多いみたい。特に学生の間ではキャバクラより風俗の方が人気なんだってね。風俗なら高収入だし、昼間から深夜12時まで好きな時間に働けて高収入だからってのが理由らしい。でも私はそこまでの勇気はなかったし、キャバクラで色々な人とゆっくりお話しながら成長していきたいと思った。あと風俗はやっぱり病気が怖い。今はエボラウイルスが世界的に流行してるから、それがいつ日本に入ってくるかわからない。恐ろしいのは性病だけじゃないってこと。

 うちは一般的なサラリーマン家庭で裕福な方じゃないから、大学の学費はなんとかがんばって出してもらったんだけど、留学費はさすがに難しいみたい。もうこれ以上親に迷惑はかけられないから、キャバクラで働いて、自分で留学資金を貯めることにした。昼は勉強、夜はキャバクラで働くようになって睡眠時間も減ったし、本当に多忙。でもどうしてもアメリカに行きたいんだよね。日本という狭い世界だけで終わりたくない。

 日本人って価値観が同じっていうか、みんな右を向いたらそれに従うっていう風潮があるでしょ。でも多くの移民を受け入れてきたアメリカは、多種多様な文化的背景を持つ人達が暮らしているから、絶対自分のプラスになると思うんだよね。

 英語はまったくわからないけどまあなんとかなるでしょ。やっぱグローバルな感性を身につけなきゃいけないからさ。そのためにも今は、キャバクラのアフター、メール、接客をがんばっていこうと思う。

(取材/構成・篠田エレナ)

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