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ラジオNIKKEI賞 ダイバーシティが無傷のV3へばく進

 今週の福島メーンは恒例の3歳重賞「第57回ラジオNIKKEI賞」(JpnIII 芝1800m 6日)。新旧勢力が一堂に会し、火花を散らす。今回スポットを当てたのは彗星のごとく出現したダイバーシティ。2戦2勝とエリート街道をばく進する逸材だ。横山典騎手もゾッコンで重賞挑戦を直訴したほど。有り余る勢いで金星奪取をもくろむ東の上がり馬の最新情報をリポートする。

 彗星のごとく出現したダイバーシティは強運の持ち主だった。
 驚くなかれ。デビューが今年の2回東京の未勝利戦(芝1800m)と遅れた理由を佐藤助手はこう明かした。「内臓が弱かったため、(育成牧場で)腸を切る大手術をした」
 一般論をいえば、デビューを果たしたことだけでも奇跡的といえる。ところが、瞬く間に2連勝を達成。ラジオNIKKEI賞の有力候補になることを誰が予想し得ただろう。まさに、神のみぞ知るだ。
 2連勝の中身も濃い。経験馬相手に1馬身1/4差の完勝を演じた初戦もすごいが、返す刀で500万戦をぶっこ抜いたレースぶりは次元が違った。差し、追い込み馬に不利な前残りの流れを上がり33秒3とメンバー最速の“鬼脚”で突き抜けたのだ。このときは手綱を取っていた横山典騎手も、それを見守っていた佐藤助手も全身に鳥肌が立ったという。
 「この馬には最初からびっくりさせられてばかり(笑)。デビュー戦は1週前に腹痛を起こし、どうなることかと思った。2戦目は上がり(3F)で古馬並みの脚を使った。この時期に2連勝するのは簡単ではないし、潜在能力は相当高い」
 さらに、佐藤助手はこんなエピソードを打ち明けた。「当初は2連勝の後、夏休みに入る予定だった。ところが、ノリ(横山典)が『ラジオNIKKEI賞でも勝負になるから、行きましょう』って」
 鶴のひと声ならぬ横山典の進言で重賞挑戦が決まった。
 中間は体を緩めずに乗られていたとあり、当然、仕上げに抜かりはない。また、初めての小回り福島コースについて佐藤助手は、「確かに2勝とも(広い)府中でピタリとハマッたが、そこはジョッキーがそつなく乗ってくれるでしょう」と鞍上に寄せる信頼は厚い。
 夏の福島競馬を熱くさせるダイバーシティ。無傷のV3を達成すれば、いよいよ秋は菊花賞が見えてくる。

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