かつて女が暮らしていた東京都板橋区のマンション周辺住民は「妹さんがよく遊びにいらしていたみたいで、姉妹そろって体格がよかった。お姉さんはロングヘアーをなびかせるなど、羽振りよさそうに振る舞っていました」と証言する。
女は料理サイトのブログでも髪形や健康的な美肌、白い歯についてのこだわりを記述。わざわざ東京・南青山にある有名美容室に通い、元女優の君島十和子さんを担当する美容師を指名するほど気にしていた。
これほどまでに髪形に執着した理由として、決して無関係ではなさそうなのが意外な男性の好みだ。故郷・北海道で過ごした学生時代、薄毛の男性教師への片思いをきっかけに志村けんに夢中になったとの情報が浮上。「当時の同級生の証言から、女が志村けんのファンだった可能性が高まっている。コントの『変なおじさん』が面白いからなどという子供っぽい理由ではなく、異性としてあこがれていたみたい。発育がよくどちらかといえばませていた女は、その年ごろの女の子としてはきわめて珍しい趣味だったといえる」(事件取材するジャーナリスト)
いまでこそ薄毛の中高年男性は“枯れオヤジ”などともてはやされているが、女が思春期を迎えた1980年代後半から90年代前半はいわゆるアイドル全盛期。同級生がテレビの男性アイドルにキャーキャー黄色い声援を送るなか、女は人気アイドルグループには見向きもしなかったという。
不審死した男性もまた40〜80代と全員年上だった。前出のジャーナリストは「女は決して器量がいいほうではなかった。それゆえブログでは胸元を強調したり、美肌やロングヘア、白い歯で女性らしさをアピールしていた。有名美容室に通ったのも弱点をカバーするためのけなげな努力とみていい。そうした外見上の悩みがあったからこそ、恋愛対象には精神的にイーブン(同等)か優位に立てるよう、何らかの身体的コンプレックスを抱く男性を選んだのではないか。婚活サイトで若さをアピールできる年上男性ばかり相手にしたのは本能だったのかもしれない」と指摘する。
女は同級生と比べても大柄で飛び抜けて早熟だったとされる。ところが結局、身長は約155センチ止まり。おいしいものがふんだんにある都会で年齢を重ねるうち、趣味のグルメにハマって体重ばかり増えていった。
ブログにそんな悩みを記すこともあった。「明るい時間に露天風呂に入ると気持ちがいいけれど、自分の全裸を太陽の光で眺めることになり、イヤでもいろいろなことを自覚させられる」(ブログより)
ありのままの自分を受け入れてくれる男性を求めたのか。女はこれまでの捜査当局の調べに対し、金銭目的で男性に接近したことを供述している。不審死との関係こそはっきりしていないものの、真剣に婚活にはげむ中高年男性の気持ちをもて遊んだことは許されない。