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不屈のウクレレ芸人「えぐれ☆笹島」

 3月13日、金城学院大学で「反貧困集会inあいち」が開催され、約600名の来場者が訪れた。一般の市民が参加しやすい形で、貧困を知り、ともに考える場・交流する場として 企画されてきた全国レベルのイベントで、今年で第4回目を迎えた。

 派遣切り・非正規雇用・労災問題など、会場では重い話題が多い中、筆者は一筋の明かりを見つけた。

 ウクレレ芸人のえぐれ☆笹島さんである。ウクレレを習い始めた理由をお聞きすると、若い当時、あまりにも人生がつらいので、お寺に修行に行かれ、そこのお坊さんに教わったのが初めだという。

 えぐれさんは35歳の時に、11歳のお子さんを亡くされた。その後、ご主人も病気で失った。若い時から長く続けることができる仕事にも恵まれなかった。そんな中で、自分の生きた証がほしいと思い、唄うことで生きていることや命について訴えたいとおっしゃっていた。

 お涙頂戴はしたくないと笑うそのお顔は、とても輝いていて、人生の辛酸を乗り越えた温かみにあふれていた。現在の生きがいは、ホームレスの方・日雇いで仕事がない方のために、炊き出し会場や老人ホームやデ イサービスなどで唄い、お年寄りににこっと笑っていただくのがたまらなくうれしいと、屈託なく笑う。

 現在えぐれさんは生活保護を受けながら、唄う仕事をしている。彼女の歌からは、世の中を明るくしたいという気概が伝わってくる。本当に稀有な方である。社会的な成功も大切であるが、苦しい立場の人の心を震 わせる歌を唄いたい、そのためにボランティアでこの会場に来たとおっしゃっていた。

 また、『ビッグイシュー』という雑誌を発行されている、木下光誠(こうせい)氏にもお話を伺った。『ビッグイシュー』とは、ホームレスの方々が売っている月刊誌で、その売り上げはホームレスに還元される。 この雑誌の売り上げのおかげで路上から、畳の上で寝られるようになった人も多いそうである。

 ただ、それだけでは社会復帰はできないと同氏は語る。仕事についての責任が必要だ、与えられた仕事をやるだけではだめ、人は一人では生きられないけれど、お互いに向上心を持ってやっていくべきだと熱く語っておられた。

 最後に伺った、えぐれ笹島さんの言葉が筆者の心に響いた。「路上で人が寝ている姿が当たり前ではいけない」

 大いに考えさせられ、草の根運動のすばらしさを実感できた一日であった。

【必見! 日本一の路上ウクレレ芸人 えぐれ☆笹島さんのライブ動画】
「笹島アオカン野郎」(アオカン=野宿)http://www.youtube.com/user/esamanihi#p/a/u/0/XdfK_EwcoHk

えぐれ☆笹島さんに関するお問い合わせは、マネージャーの忍者まちこさん迄。
「世界中ご招待を頂ければ、どこへでも唄いに行きます!」
wninja@d7.dion.ne.jp

(「ソーシャル・エンタープライズ」松浦友宏)

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