西山氏といえば、3月11日に発生した福島原発事故に関するマスコミへの会見で、スポークスマン役として、連日にわたって報道番組に露出し、一躍時の人となったあの官僚。西山氏は6月23日発売の「週刊新潮」にて不倫疑惑が報道され、6月29日、福島原発の広報役を更迭され、保安院付をはずされた末、7月15日付で官房審議官から事実上、窓際ポストの官房付になっていた。
その後、西山氏は週刊誌で報じられた女性と同一人物とみられる30代の女性職員と、原発事故後の3月下旬から6月にかけて、勤務時間中に複数回の身体的接触を含む、キスや抱擁などの不適切な行為をしたとして、経産省から9月30日付で停職1カ月(10月1日〜31日)の懲戒処分を受けた。
そして、西山氏は処分が明けた後、環境省の福島除染推進チーム次長に就任することになり、福島市に赴任し、現地で福島県内の除染関連の業務を担当する予定となっていた。ところが、12月1日の参院東日本大震災復興特別委員会での社民党・吉田忠智氏と細野豪志環境相とのやりとりで、西山氏はもう福島にはいないことが分かった。
吉田氏が「こんな人物が除染を担当して福島の皆さんが信頼すると思いますか。不適切ではないか」と質問すると、細野環境相は「福島の皆さんもいろいろ思いがありますので、本人は表に出ることなく、『東京、そして本当に必要なときは地元に行って、裏方としてしっかりと除染で汗をかきたい』と申しております」と語り、東京に戻ったことが判明した。
環境省関係者によると、西山氏は赴任後一度福島入りしたが、帰京。「出張などで福島に行くかもしれないが、次にいつ行くか分からない」という。不倫、省内での不適切行為の末、翻弄される西山氏。それもまた、やってはいけないことをやってしまったことのツケなのであろう。
(落合一郎)