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キャバ嬢が生まれる瞬間(43)〜記憶力に自信のあった美由紀〜

志田美由紀(仮名・21歳)

 私は子供の頃からあまり勉強をしたことがなかった。いつも先生が黒板に書いた文字や、教科書を少し見るだけで、全部その場で記憶してしまうからだ。もちろん人の顔を覚えるのも得意。でもその時は顔の作りを記憶するというよりも、その人の特徴を瞬時に顔の造形と結びつけて覚えてる。

 記憶力が人より良いから、1度しか会ったことのない他人と半年後に再開したとしても、絶対に名前を忘れることがない。誕生日だって一緒。芸能人のも含めると何百人ものプロフィールが頭の中に入ってるよ。それで思ったんだよね。私はキャバクラで働くのに向いているんじゃないかって。だって人間って、他人が自分のことをいつまでも覚えていてくれたらうれしいでしょう。だからトークがそこまでうまくなくても、相手がキャバにリピートさえしてくれれば、前の接客での情報を思い出し、「○○出身で○○が好きな○○さんですよね?」と言って喜ばすことができる。

 あとキャバクラの接客では時事ネタも重要。だからキャバクラ嬢になってからは、出勤前に軽く新聞を読むようにしてる。私、記憶力はいいんだけど、文字を読むのが昔から遅かったんだよね。でも数年前に速読を身に着ける携帯ゲームソフトを買って、毎日地道に訓練した。だから今では当初の何倍も早く文字を読めるようになった。新聞に目を通してから行くと、初回でもお客さんとけっこう話が弾むことがある。

 それと働き始めて思ったのが、キャバの上位に行く子は皆、頭がいいってこと。勝手なイメージで高卒の子とかが多いのかなって思ってたら、みんな国立大学出身の子ばかりだったんだよね。だからといって頭の良さを提示せずに、その場に応じて自分の知識を披露したり、多少抜けている様子を演じるのに長けてる感じだった。私はキャバで働いてみて、そういう頭の使い分けも重要なんだなと知ったよ。

 今後はその場の空気をしっかりと読んで、記憶力をアピールするだけに徹せず、お客さんに楽しんでもらうことを一番に考えてがんばっていこうと思ってます。

(取材/構成・篠田エレナ)

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