まじめ一本やりの鳩山氏が“絶口調”モードに突入した。この日、仙台市や福島県郡山市で「自民党にはもっと頑張ってほしい。一党だけがしっかりしても駄目だ。二大政党政治がうまく機能して初めて国民の期待に応えられる」と、余裕とも受け止められる発言を連発。どこまで計算した毒舌か分からないが、敵将への痛烈パンチとなったのは間違いない。
各党党首は19日も全国で衆院選遊説を行い、野党側からは民主党優勢を念頭に置いた発言が相次いだ。
共産党の志位和夫委員長は仙台市の記者会見で、先の党首討論会で首相ではなく鳩山氏に質問したことに触れ「これから政権を失う可能性が非常に強いという人を相手に将来のことを論じても生産的でないと感じた」と説明。「もはや焦点は自公政権後だ」と指摘した。
社民党の福島瑞穂党首は盛岡市で「民主党だけ独り勝ちしてまっとうな政治になるのか」と社民党の存在をアピール。記者団に「新しい政治の中で社民党がどういう役割を果たすかを強調する演説に変えた」と述べた。
一方、麻生首相は同日、北海道帯広市で情けない応援演説を余儀なくされていた。今年2月に「もうろう会見」の責任を取って辞任した中川昭一前財務相とともに「(中川氏が)見苦しい姿を見せることになり、大変心配をかけた。私の監督不行き届きも含め、おわび申し上げる」とあらためて陳謝。その上で中川氏の能力を高く評価し、「人間は失敗するが、失敗を許すことができるのも人間。復帰への力を与えていただきたい」と支持を呼び掛けたのである。
いわば“罪を憎んで人を憎まず”の押し売り。そんな甘ちゃんなことを言っているから、有権者の心は離れていったのではないか。お詫び行脚が必要な候補はまだまだいるため、この先が思いやられるところ。
鳩山氏でなくとも「頑張れ」と言いたくなる!?