「落ち着いて、ストレス解消になるようです。安らぐ、引き締めるなど、身につける理由は人それぞれですね」と語るのは同社代表取締役の土屋将之氏。また、「女性の下着はレース、プリント、Tバッグなど種類も多く面白い。ただ、男性の下着って面白味に欠けますよね。もっとオシャレにと踏み込んだ方もいるようです」とのこと。そんなオシャレな需要を満たすべく、「男性用キャミソール」や「男性用ブリファ」も販売しているという。
同社がメンズブラの販売を開始したのは2008年11月。もともとは女性用下着や男性のブリーフを販売していたが、男性客から定期的に「男性でもつけることができるブラジャーを作って欲しい」との要望が届いていた。「まさか、そこまで売れるとは思っていたなかったので、100枚でも作ってくれる工場を探していました。それが見つかったので販売となったのですが、昨年などは月に1000枚以上を売り上げました。予想以上の反響でしたね」(土屋氏)。では、どんな男性が購入しているのか?
「実際に統計を取ったことがないので、詳細はわからないのですが、電話で問い合わせてくる方などは70代と思われる方もいます。“妻も公認です”と話される方もいますね。中高年の方が多いという印象です」(土屋氏)。
ただ、男性用のものを実際に見たことがある方は決して多くはないはず。女性用との違いはあるのだろうか。「女性は“よせてあげて”という部分が大事ですが、男性用は特に“よせてあげて”ということは必要ない。ただ、ワイヤーはこだわりました。動きやすさを出すとともに締め付け感も意識しましたね」(土屋氏)。ちなみにカップはAのみだが、アンダーは数パターンのサイズが用意されているとのこと。現在は10〜20の型に数種類の色があるという。最初は男らしい黒が売れると想定していたが、意外とピンクが人気だった。ただ、その後メディアなどで黒が多く取り上げられたので、今は黒も人気だという。
また、今まで存在していなかった“メンズブラ”という商品、開発段階では土屋氏自らが、1日身につけてテストしていたという。それもそのはず、同社は土屋氏以外はみな女性社員なのだ。「身につけていることは他の社員にも家族にも知られたくありませんでした。休日に一人で出社してそこでテストしていましたね。メンズブラの愛用者は“自分がつけているぞ!”っていうある意味で露出狂的なものとは違います。だから、誰にも知られたくないんです」。ちなみに、テストしていた時は、確かに引き締まって仕事がはかどり、身を持ってその効果を実感したという。
ウィッシュは今年の9月に池袋で、メンズブラも扱う下着の店舗を持つことが決定している。「まだ、信じられない…」と考えている方は一度、店舗まで足を運び、メンズブラの魅力を手にとって確認してみてはいかがだろうか。意外にクセになるかも!?