書類送検されたのは、京都府警南署に勤務する20代の男性巡査。今年9月、京都府南区の市道をバイクでパトロール中、雨が降っていたため誤ってスリップし転倒。その際、歩いていた20代男性の足に当たってしまったという。
男性は体勢を崩し、左手首を負傷。全治90日の怪我を負った。通常このような場合は介抱し、救急車を手配するべきだが、巡査は男性から声をかけられるとなぜか「大丈夫です」と話し、その場を去った。
事故後、被害男性が警察に通報。捜査の結果、走り去った男が警察官であることが発覚した。巡査は警察に対し、「歩行者にバイクがぶつかったとは気が付かなかった」と話しているという。スリップして倒れた際に男性とぶつかっておきながら、気が付かないとはにわかに信じがたいのだが。
京都府警は20日、当該巡査を5日付で自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(事故不申告)の疑いで書類送検、そして本部長注意の処分としたことを発表した。京都府警の警察官が逮捕・書類送検されるのは、これで今年15人目だという。
この巡査に「一般市民ならひき逃げ事件になる。この処分は納得できない。甘すぎる」「バイク乗って転けて歩行者に当たったのに気が付かないはずがない」「何が大丈夫なのか。ふざけている」「この国は職種によって罪の重さが変わるのか」と、巡査の行動や京都府警の処分について異論が噴出することになった。
警察官は「気が付かなかった」と言い訳しているが、通常のバイク事故でそのような状況は考えられないと言わざるを得ない。この行為は「ひき逃げ」である。交通違反を取り締まる存在である警察官がひき逃げを犯したということを「本部長注意」で済ませる対応は「身内に甘い」といわれても致し方ない。
文 神代恭介