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京都牝馬S アドマイヤキッスが久々の重賞V

 記録づくめの勝利だった。降雪後の重馬場という過酷な条件の下、行われた「第43回京都牝馬S」(GIII 京都芝1600m 3日)は、2番人気に支持されたアドマイヤキッスが好位4番手から抜け出し、2006年愛知杯以来となる4つ目のタイトルを獲得した。
 アドマイヤキッスの手綱を取った安藤勝騎手はJRA通算800勝の節目の勝利が重賞制覇。文字通り、愛馬から最高の“キッス”を贈られた格好となった。
 「800勝?そんなに意識はしていなかったよ」とサラリと受け流すあたりがニクい。これぞベテランの風格か、安藤勝騎手は終始、冷静な口調だった。
 「返し馬のときから気合が前向きで集中していた。これが一番の勝因だね。以前は幼い面があり、頼りないところがあったが、そこのところの成長が大きい。これなら今後は大きいところを期待ができるよ」自身の記録はさておき、あくまでも勝ち馬をほめ称えた。

 レースは、シェルズレイが飛ばす形。好位でジッと我慢していたアンカツ=キッスは直線に向くと、内の悪いところを避け、かといって大外を回ることもせず馬場の中ほどを突いた。ラスト1F、先に抜け出したザレマを一完歩ごとに追い詰め、クビ差交わしたところがゴール板だった。
 記録はジョッキーばかりではない。キッスが挙げたこの日の勝利は、今は亡き偉大な父サンデーサイレンス産駒のJRA通算2700勝目にもあたる。
 デビュー以来、大物と騒がれながらも、GIでは善戦止まり。しかし、円熟の5歳を迎え、ひと皮むけた印象。狙うは春の女王の座、ヴィクトリアマイルへ向け、ひたすら走り続ける。

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