「数十人の捜査員が、いきなり社内に踏み込んできて、全員バラバラにされて事情を聴かれました。パソコンもDVDもほとんど押収されたようです。制作会社など20カ所で約300人を動員していますから、警視庁の力の入れようは半端じゃない」(社会部記者)
それにしても、倫理団体に捜査の手が入ったのは初めて。何が警視庁の逆鱗に触れたのか。
「摘発された制作会社の作品『BAD HOLE1〜3』(アットワン)、『巨乳奥様★ねっとり誘惑エッチ!!/竹内あい』(h.m.p)を観ると、確かにかつての作品に比べるとモザイクは極薄です。ヘアやアナルはモロ見え、男優のイチモツ、女優の秘部も形はもちろん色まで、ほぼ想定できる状態です」(AVライター)
「極薄モザイクは、まかりならん」ということなのか。それにしても、AVの審査をする倫理団体は他にもあるのに、なぜ、ビデ倫が狙い撃ちされたのか。
「ビデ倫も含め、AVを審査する団体は、現在9つあります。ビデ倫は他の団体より審査が厳しい、と評判でした。しかし、他の団体は審査が甘いために、極薄のDVDがどんどん出回るようになったんです。レンタル市場には極薄モザイクが氾濫。生き残るために、ビデ倫は審査をどんどん甘くすることで巻き返しを図ったんです。04年10月には秘部に沿ったモザイク処理を容認し、昨年8月にはヘアやアナルを解禁したんです。この新基準ができたために、過激な作品が通過するようになったわけです。『BAD HOLE』シリーズの新作は、これまでのビデ倫作品に比べて、かなり見えていたので業界でも話題になったほどです」(AV業界関係者)
大手レンタルチェーンは「摘発をうけた2社の作品は棚から外しています。他のビデ倫通過作品については今後の捜査の推移をみて決めたいと思います」と、語る。
業界の審査機関では初の摘発となったビデ倫は「社会貢献の実績を有する当協会に対して誠に遺憾」という見解をホームページで明らかにした。これは警視庁への真っ向からの反論といっていい。
「昨年夏の基準改正以降、モザイクが薄い商品が出回るようになった。改正を誰が主導したのか、押収した資料をもとに関係者の刑事責任を追及する構えです」(前出・社会部記者)
警視庁VSビデ倫の戦いの行方が注目されるが、果たして極薄モザイクは消えてしまうのか。AVファンとしては、気が気じゃない。