両府県警によると、問題のパトカーは2月2日午後2時50分頃、京都府内の高速道を走行中の男性から、「当て逃げされた」との通報を受け、事情を聴くために、通報者が待機する中国自動車道西宮名塩サービスエリアに向けて緊急走行。その際、兵庫県内の高速道での緊急時最高速度が時速100キロ(取り締まり地点の法定速度は80キロ)だったのに145キロで走行し、速度違反自動監視装置(オービス)で45キロの速度違反と測定された。
兵庫県警はパトカーを運転していた20代の男性巡査長を、道交法違反(速度超過)の疑いで、3月14日に神戸区検に書類送検。同区検は同25日に不起訴処分(起訴猶予)とした。
これを受け、京都府警は5月中旬、運転していた20代の男性巡査長を所属長訓戒、同乗していた40代の男性巡査部長を本部長注意とした。京都府警監察官室は「再発防止に努める」としている。警察庁によると、緊急走行中のパトカーが速度超過で検挙されるのは極めて異例だという。
道交法では、交通違反車両の取り締まりや凶悪犯の追跡など、警察車両の緊急時最高速度の超過を例外的に認めているが、なぜ、こんな事態になってしまったのか?
京都府警高速隊では「被害の全体像が見えない中、一刻も早く通報者の元に到着しようとしてしまった」としているが、兵庫県警は「現場に早く到達しなければならない緊急性があるなら、他府県警と連携すればよいことで、速度超過の正当性はない」と判断したため。
京都府警側にとっては、なんとも納得いかない話だろうが、両府県警はよほど、仲が悪いのだろうか?
(蔵元英二)