馬インフルエンザは現在のところ、競走馬への感染報告しかないが、17日の会見でJRA広報は「食肉用の道産子などにも感染する恐れはある」とし、最悪の場合、インフルエンザ感染馬の肉が消費者の口に入る可能性も否定できない。
そのため、桜肉を名物とする熊本県では17日、終日対応に追われた。同県畜産課は「人への感染報告がないですからそれほど心配はしていませんが、県下の畜産業者には、症状の出た馬がいないか注意を促すつもりです」という。
また食肉馬の屠殺前の検体を監督する同県生産課でも「今後はよりインフルエンザを発見しやすい検査に変えていく方針」と対策には余念がない様子。もちろん、感染が認められた場合は屠殺が中止されるため、感染馬の肉が市場に出回ることはないと見てよさそうだ。
とはいえ、当の畜産業者にとっては、感染馬がいつ大量発生してもおかしくない状況で、下手をすれば出荷が一時、全面的に滞る事態も考えられる。馬インフルエンザ騒動は食肉業界にも少なからず波紋を広げそうだ。