一昨年の2着ソングオブウインドは菊花賞を制覇。昨年は1着ロックドゥカンブがセントライト記念を完勝し、2着スクリーンヒーローも同レースで3着、3着イクスキューズにいたっては初めての古馬相手になったクイーンSでいきなり2着に好走している。
で、今年はどうなのかといえば、2着ノットアローン、3着ダイバーシティがセントライトでそれぞれ3、4着。4着スマートギアも先々週の野分特別(1000万)を快勝。例に漏れず、「残念組」とは到底思えないレベルの高さを見せつけている。
それらを物差しにすると、勝ち馬レオマイスターからわずか0秒2差だった◎ハンターキリシマも同等の評価が与えられる。
NIKKEI賞当日は大の大人でもチビりそうになるぐらい強烈な雷鳴がとどろくなか、外から猛然と突っ込み5着。「九州産はレベルが低い」という戦前に張られたレッテルを見事に裏切って見せた。もっとも、この馬の場合、零細血統が主流を占める九州産にはないバックボーンがある。SS系×トニービンの血統背景は北海道産と何ら変わらないA級のそれなのだ。
先週、ローズSを制したマイネレーツェル同様、400キロ前半の小兵で、仕上げにはさして時間を要さないタイプ。本番を見据えたいわゆる“TR仕様”のダービー組に比べて、こちらには「権利獲り」という明確なモチベーションもある。
傍流のド真ん中を行くような「裏ダービー組の九州産」に競馬版ローカリズムの復権と、超ビッグな配当を託したい。