児玉助手が胸を張るように、スズカフェニックスは高松宮記念でGI制覇を達成した後も厩舎で順調な調整を行ってきた。4月上旬に坂路で乗り込みを開始してからは約2カ月間、ビッシリと調教を積まれてきた。GI連覇に向けて抜かりない調整を繰り広げる中、この中間はさらに馬体もパワーアップした。
「以前は追い切るとソエが出たり、カイバを食べなかったするような面があった。それが今は追い切っても、まったく動じなくなった。その分、体にも実が入って、ひと回り大きくなっている」(同助手)
フィジカル面での成長に加えて、今回は同馬にとって最高の舞台設定を迎えた。東京マイルでは4走して<1120>で、昨秋のGIII富士S(3着)、1月のGIII東京新聞杯(1着)ではともに上がり3F33秒3秒の鬼脚を披露している。
「鞍上の武豊さんもこのコースへの自信は絶対だし、僕自身もこの馬の切れ味を最も生かせるのがこの東京マイルだと思っている。それに今のデキの良さなら前走に続くGI連覇も期待できそうですね」
高松宮記念がGIとなった平成8年以降、いまだに成し遂げられていない同年の安田記念との連覇…先週のウオッカに続く歴史的な快挙達成に向けて、準備は整った。
【最終追いVTR】高松宮記念以来も体つきはすっきり。脚取りも軽やかに、坂路で800m51秒2を計時した。馬場の中腹付近で落馬した人が倒れこみ、それを避けるロスがあったものの、終いも見せムチのみで12秒2なら立派。デキは文句なしだ。