「子供たちへの重篤な危険性はもはやない」という当局の判断に基づく処置だという。自身も2児の母である女は、勤め先の託児所の乳幼児に対し、少なくとも30回以上卑猥な写真を撮るなどのわいせつ行為をしたとされている。しかし、本人曰く「父母の心情に配慮して」という理由で、事件について詳細な言及は避けており、被害の実態はいまだにはっきりとはわかっていないそうだ。また、同記事によると、Facebookで知り合った小児性愛趣味を持つ仲間と「誰が一番ヤバイか」を競い、乳幼児のみだらな姿を撮影しては写真を交換していたという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「イギリスの司法は、この女が保育に携わっても安全だと判断したのか。どうかしている」「職場を利用して犯罪をする最低な犯罪者」「たった10年しか経っていないのに、こんな危険な犯罪者を外に出すなんて狂っている」など女への批判や司法制度への批判が殺到。
さらに、「子どもたちが将来心に傷を負わないか気がかりだ」「新たな被害者が出ないか心配」「こんな女に実子がいること信じられない。実子は被害に遭っていないのか?」と再犯の可能性を危ぶむ声が上がった。
小児に限らず、性犯罪の特徴として被害者が正確に事件について語れないことが多く、事件の全貌がはっきりしないということが挙げられる。それでも、イギリスの国民統計局が2019年3月までの1年間を対象として行った「犯罪調査」によれば、子供が被害に遭った性犯罪の数は60,685件に上るという。また、小児性愛犯罪の場合は、加害者が身近な人物であることが多いことが分かった。
日本国内に目を向けてみると、法務省が公表した「平成27年版犯罪白書」によると、13歳未満の子どもに対する強制わいせつ事件は、1年間で953件発生しており、実に1日に2件以上起きている計算だという。また、一度子どもに手を出した犯罪者の再犯率は、84.6%と極めて高いことも分かった。
小児性愛犯罪は、自分を護ることができない子供たちを狙う点だけでなく、事件の把握・および再犯罪率等の把握がしにくく、犯罪者がのさばりやすいという点でも卑劣極まりない。何より信頼していたであろう身近な大人から被害を受ければ、心に大きな傷跡が残るだろう。子供たちの安全を第一に法整備を整え、また近隣の監視を強めていく必要がある。
記事内の引用について
Britain's worst female paedophile to be released from prison (The Telegraph)より
https://www.telegraph.co.uk/news/2019/07/11/britains-worst-female-paedophile-released-prison/
Office for National Statistics(国民統計局)より
https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/crimeandjustice/bulletins/crimeinenglandandwales/yearendingmarch2019
平成27年版 犯罪白書より
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/n62_2_6_2_6_1.html