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キャバクラに通うMな客

 毎夜、男女の駆け引きが交錯するキャバクラ。

 通う人のほとんどはあわよくば…という気持ちがあるが、上手く口説き落とせる人は少数だ。

 キャバ嬢、ユキ(仮名)がうんざりした顔で語る。「お客としては良いけど、人としてはメンドくさい」若いころに遊び慣れていないお堅い職業や管理職の立場の人が何かの拍子でキャバクラにハマった場合、Mの傾向が強いとのこと。ユキ(仮名)が指名をもらうお客は比較的、そういったMな客が多く、優しくするよりも、少しオラオラ的なSの対応をすると、何だかんだ言いつつ、付いてくるらしい。
 普段の仕事では威張り散らしてる人ほど、キャバ嬢にSな姿勢で接してもらいたいのかもしれない。仕事とはいえ、人を叱りとばすSのパワーを常に発揮するのは精神的にかなり消耗するらしく、ユキ(仮名)は参っているようだった。

 「よくわからないけど、私の客になるタイプの人は、Mばっかりなの」
 彼女のメイクはかなり派手目で、セミロングの髪で、金色に近く、細く鋭い目つきをしている。何気ない一言でもハキハキとしてる語り口も加わり、Mの傾向が強い男性にとっては、よほど好きなタイプとして映るのだろう。
 そのお客のほとんどが、ユキ(仮名)をM的なナヨナヨした姿勢で口説こうとするらしいが、そこは彼女も慣れたもので、客をかわすテクは鮮やかなものだ。Mな男性が口説ける可能性はゼロだが、夢を見させてあげてると彼女は話す。叶うかもしれない、という期待だけを残しつつ、お客のお金が尽きるまでずっと駆け引きは続く。

 キャバクラの利用は計画的に。

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