「主文、被告を懲役1年に処する」
諒子に対して有罪の判決だった。判決の言い渡しで、裁判長は「平然とウソをつき、無実の人を罪に陥れようとしたのは言語道断」と述べた。
さらに裁判長は、青木さんについても、「いわれのない罪で19日間も逮捕、拘留されたうえ、著しく名誉を傷つけられ、社会的経済的信用を失った。苦痛、憤激は十分察する事ができる」と理解をしめした。諒子の「夫の気持ちを確かめたかった」という犯行動機についても、「あまりに浅はか」と斬り捨てた。
どこからどう見ても、青木さんの完全勝訴であった。
ところが、この判決が下されても、諒子は反省や謝罪の言葉すら一切口にすることはなかった。それどころか、「量刑不当」を理由に、即日控訴した。
つまり諒子は、24年間まじめに働いてきた人の生活と家庭をメチャクチャに破壊したにもかかわらず、「懲役1年は重過ぎる」というのである。
これに対して青木さんは当時、雑誌のインタビューなどに対して「懲役1年でも軽すぎるくらいだ」と憤慨している。当然の感情だ。
しかも、判決の少し前には、諒子は青木さんに手紙を送っている。そこには、〈私のウソが大きなあやまちになって(中略)本当に申し訳ありません〉などと謝罪めいた言葉で始まってはいるものの、よく読めばただの言い訳と、少しでも罪を軽くしてもらいたいという都合のいい弁明で埋め尽くされていた。
諒子の行動には、青木さんに償おうとか、自らの行為を反省するとか、そういったものはカケラも見当たらなかった。
そして、諒子は控訴したものの、仙台地裁はこの訴えを却下。2004年2月には、諒子はこれを不服として最高裁に上告している。諒子は結局、「自分は悪くない」という考えが最優先なのだろう。
ちなみに最高裁では、憲法違反などよほどのことがない限り、判決がひっくり返ることはない。
単に「夫の気を引きたい」という、あまりに身勝手な理由でまったく無関係の青木さんを事件に巻き込み、しかも謝罪もしない諒子は、現在どこでどうしているのだろうか。(了)