東京は5勝とメンバー屈指のコース実績を誇るチェストウイングに絶好の条件がそろった。
調教役の松本助手は虎視たんたん。「前走のオールカマー(4着)は馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れ、ケイコ不足が響いた。休み明けを使って、状態はグンと上向いているから、今度は去年のリベンジができそうだよ」と不敵な笑みを浮かべた。
その昨年はトウショウナイトの前に4着と後塵を拝しているが、着差は0秒4。しかも「直線を向いて、さあ、これからという時に前が壁になり、一番外に持ち出して伸びてきた」と悔やむ同助手。
運不運は紙一重だが、あそこで前が開いていれば、上位争いに持ち込んでいたはず。はっきりいえるのは、決して実力負けではなかったということ。松本さんは「脚を余して負けた」と何度も繰り返した。
結果論だが、位置取りが後ろすぎたことが不利につながった。同じ轍は踏むまい。すべてを託された吉田隼騎手の腕の見せどころでもある。
2連覇を目指すトウショウナイト、捲土重来を期すネヴァブションの人気両馬は調子に“?”が付いて回る。もう一頭の有力候補・トウカイトリックもここが4カ月半ぶりの不利は否めない。
ハンデ54kg(前走比3kg減)もアドバンテージになるし、千載一遇のチャンスが到来した。
【最終追いVTR】Wコースで上がり重点に追われ、ラスト1Fは12秒7を計時。終いの伸び脚は実にシャープで、良化の跡は歴然。休み明けをひと叩きされ、万全の態勢が整っている。