政府が「UFO未確認」を閣議決定したことについて記者団の質問に答えたもの。町村信孝官房長官はナスカの地上絵を根拠に、石破茂防衛相は存在しないとは断定できないとしてそれぞれ、UFO存在の可能性があるとしている。「私も(UFOを)見たい」と好奇心を示した石原氏は、UFOや宇宙人は「いる」けど「来ない」派。1950年代のUFOブームを牽引した日本空飛ぶ円盤研究会に名前を連ねていたことも分かった。
石原氏はイギリスの物理学者スティーブン・ホーキング博士(65)の講演を聞いてUFO来訪はないと判断したという。石原氏によると、ホーキング氏は、宇宙船を飛ばすような地球並みの文明を持つ惑星は宇宙全体に200万あるとする一方で、「そうした惑星は非常に循環が不安定なので宇宙時間では瞬間的に消滅する」などと説明したらしい。「瞬間」は地球時間に換算すると100年で、高度な文明を持つと同時に環境破壊などが始まり、他惑星との接近遭遇前に自滅するという理論のようだ。
石原氏は「それから(講演を聞いてから)25年経ちましたからね。地球はこのままいくと持たないね」と地球温暖化対策などが手ぬるいことを猛批判。「200万の(高度な文明を持つ)星があっても、みんなダメになっちゃうんだ。75年後の地球と同じになるわけ」と皮肉たっぷりにUFOが飛来できない根拠を述べた。
石原氏は最近特に環境問題で熱弁を振るうことが多く、この日も体調を崩して咳き込みながら「天才的宇宙物理学者がそう言うんだから信じる。(UFOは)飛んでこないでしょう。地球も、人間を乗せた宇宙船をどこかほかのプラネットに飛ばす前に自滅しますよ」と警鐘を鳴らした。
日本空飛ぶ円盤研究会のメンバーだったことには「名前を貸した。思い入れはない」と釈明。同会が発行した機関誌などによると、作家の星新一、三島由紀夫らも会員に名前を連ねている。