安田記念を勝ったウオッカの岩田騎手。本当に小憎らしいくらいの騎乗で、よもや3番手の積極策とは思いもよりませんでした。コンゴウリキシオーの単騎逃げで、前に行った方が有利だろう。だとしたら好位置でジッとしていて、直線の勝負どころで一気に仕掛ける。彼ならではの計算された作戦がそこにありました。
「ウオッカのビデオは全部見ました。瞬時のすごい脚があるんです。これを生かそうと思いました」。正解でした。いつものように後方から直線大外のパターンでは、優勝は微妙だったかもしれません。
私の◎アルマダも2番手追走で懸命の力走。予想通りの展開と粘り腰。2着でしたが、納得です。
さて、あすの東京のメーンは「ブリリアントS」。ダ2100mのハンデ戦です。昨年までは1回東京開催で今年から6月に移行。で、今回の最大のカギと見たのが展開です。メンバー構成から主導権を取って、ブンブン逃げる馬がいません。出遅れ癖がある人気の中心ロングブライドは、おそらく今回も最後方から。間違いなく流れはスローペース。明らかに前で対応できる馬が有利とみました。
ドンクールが本命。これまで1400mの短距離戦から2000mを超すスタミナ戦まで幅広く走り込んできましたが、実はダートのスタミナ戦が最高の活躍の場。それはどういうことかというと、彼のこれまでの成績を見れば一目瞭然です。
3歳時は交流GI・JDDで強豪カネヒキリの5着。ダービーGPでこれもカネヒキリの3着。4歳時以降は2000m以上の距離で6戦して、未勝利ながら<0231>。着外の1回はJCダートで6着。4着ヴァーミリアンと0秒3差。内容は濃いのです。しかも、前記の6戦は57kg以上を背負ってのものだったことから、ハンデ57kgも問題はなし、と判断しました。
中間、入念に乗り込んで、今回は内田騎手にバトンタッチ。ダートで先行できる馬に乗せると、その技量は日本でも屈指のジョッキー。待望の勝ち星に王手です。