今年のNHKマイルCは、本命馬不在の混戦模様。筆頭は昨年の朝日杯FSを制したドルチェモアだが、前走のニュージーランドTはまさに久々とは言える内容で7着に敗れた。好スタートからハナを切り、直線では一瞬後続を突き放しにかかったが、坂に入ると脚が鈍り7着。それでも道中は淀みのない流れで厳しい競馬となり、それも休み明けだったことを考えれば悲観する内容ではなかった。ひと叩きされて上昇度はかなりあると見るが、評価は4番手まで。
1番手評価はカルロヴェローチェ。これまで1800m、2000m、1600m、1400mと4戦全て異なる距離で使われているが、崩れたのは2000m戦だった野路菊Sのみ。前走のファルコンSはやや出遅れたものの、すぐに行き脚がつき4番手の位置を取ったが、前半は折り合いを欠いてしまい消耗のある競馬。直線では前が壁となり、外へ進路を取ろうとしたが出させてもらえず、右へ左へと進路を変更し、ようやく進路が開けて追い出したものの、先頭を走るタマモブラックタイが抜け出しており、猛追したがハナ差届かず2着。道中折り合いを欠いていたことや、直線で追い出しが遅れたことを考えると負けて強しの競馬だった。今回は鞍上が武豊騎手からD・レーン騎手にスイッチするが、名手から名手へのスイッチだけに問題なし。折り合いが付いてしっかりと脚を溜めることができれば、勝機は十分にあるだろう。
2番手評価はショーモン。休み明けをひと叩きされて期待した前走のアーリントンCであったが、まだ余裕がある馬体だった上、1000m通過が57秒7というハイペースを2番手から追走する非常に厳しい競馬。それでも直線では一度交わされた馬を差し返す根性を見せ、3着に入った内容は負けて強し。休み明けから2回使われて徐々に馬体が締まってきており、ここを目標にしっかりと仕上げられてきた印象。今回は前走よりも流れは向くと見ており、きっちりと仕上がっていれば勝ちを意識できるポテンシャルを秘めている。
3番手はエエヤン。3連勝でニュージーランドTを制し、初重賞制覇。レースでは馬場の良いところを選びながら追走し、4コーナーでは外へ進路を取りながら直線へ。抜群の手応えで直線に向くと、しっかりと脚を使って抜け出し、最後は流して優勝。着差以上に強さを感じる競馬だった。今回は戸崎圭太騎手に乗り替わりとなるが、数々の名馬の背中を知るM・デムーロ騎手がかなり本馬を評価しており、そのポテンシャルは計り知れない。
以下、クルゼイロドスル、シャンパンカラー、オオバンブルマイあたりまでを上位争いと見る。
※評価は出走馬が確定する前の段階でのものであり、出走馬、鞍上が変更となる可能性があります。
<プロフィール>
ハッシー
山梨県出身。学生時代大井競馬場で開催された大学対抗予想大会の優勝メンバーの一員。大学卒業後北海道へ渡る。浦河にある生産牧場を経て、在京スポーツ紙に入社。牧童経験を活かし、数々の万馬券を的中する。中にはパドックで推奨した4頭で決まり、3連単100万越えあり。