かなり手痛い内容と言えるが、明確な対立候補と言える人物もいなかったためか、黒岩氏は当選し、4選を果たした。
選挙に際した女性スキャンダルとして思い出されるのが、2016年に東京都知事選に立候補したジャーナリストの鳥越俊太郎氏のケースが挙げられるだろう。
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鳥越氏は野党統一候補として立候補するも、当選した小池百合子氏、与党の自民党、公明党のほか、日本のこころを大切にする党から推薦を受けた増田寛也氏に次ぐ第3位の得票となり、伸び悩んだ。小池氏が約300万票を獲得し、当選したのに対し、鳥越氏は約135万票となり、倍以上の差をつけられてしまった。その背景には、女性スキャンダルがあったと言える。
選挙期間中に『週刊文春』(文藝春秋)に報じられたのは、2002年に女子大生を別荘に連れ込み、キスを行い淫らな行為に及ぼうとしたというもの。鳥越氏は事実無根と抗議するも、選挙運動への集中を理由に、説明の会見は開かないと明言。野党票を集約するため出馬辞退をした弁護士の宇都宮健児氏は、その点を批判し、応援演説に立たなかった。
後日談としては2017年に、鳥越氏から名誉毀損と訴えられていた『週刊文春』『週刊新潮』両誌の編集長が不起訴処分に。さらに、2019年には鳥越氏がニコニコ動画チャンネル開設にあたり、ツイッターでネットユーザーから質問を募集したところ、この淫行疑惑報道に関する質問が殺到し、炎上する騒ぎも起こしている。
2016年の都知事選は小池氏の圧勝で、野党統一候補でも当選は厳しかったかもしれないが、女性スキャンダルが落選の決定打となってしまったのは確かかもしれない。