これは、以前付き合っていた彼が、知らず知らず命を危険に晒していたかもしれない話です。
彼とは職場が同じでした。付き合い始めて、彼が引っ越しをしたんですね。それで私が初めて部屋を訪ねた時です。部屋に入った途端、何かイヤな感覚がありました。湿気が強いような、ジメッとしたような、服が肌にハリつくような感覚。
>>妹にいかがわしい仕事をさせようとする男~本当にあった怖い彼氏~<<
しばらく普通に過ごした後、夜になり、恋人同士の営みをしました。ただ、やはりイヤな感覚は拭えませんでした。行為に及びながらも、何か近くにいるような、誰かに見られているような違和感があり、全く集中できませんでした。
終わった後、それとなく彼に尋ねてみたんですが、「俺は何も感じない」と言うんです。「気のせいじゃない?」と。でも後日、その考えが甘かったことを痛感することに…。
職場の健康診断があったんですね。結果が出て、彼のを見せてもらったんですが、肝臓の数値がやけに悪いんです。でも、彼は一切お酒を飲まないし、急に悪くなるなんてことは考えらえられません。すると彼が、青い顔をしながら告白を始めました。
実は、「引っ越した家は事故物件だ」と。以前の住人がひとり暮らしのアルコール依存症の男性で、ある時突然、亡くなってしまったそう。不動産会社から、一応その話は伝えられていたと言うんです。
私はそれを聞かされ、ゾッとしました。隠して私を招くなんてあり得ません。もちろん二度と行くことはなかったし、すぐに別れました。その後、彼も引っ越しをすると、肝臓の数値も戻ったそうです。
写真・Nicholas Jones