『四国らしんばん』では、南海トラフ地震で最大30メートルの津波が想定されている地域の災害の備えについて特集。黒潮町では全国で最も高い最大34メートル超の津波が想定されていると言い、町の人からは「30メートル来たらもうダメでしょう」「もう死ぬしかないね」といったネガティブな声が聞かれていた。
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一方、番組は「(町では)避難を躊躇うお年寄りに対し、子どもたちが手助けして避難に向かわせようとする訓練が行われています」と紹介。実際に小学6年生の児童2人が一人暮らしの86歳の女性を訪ねる場面もあった。
女性は想定される災害に「もうあきらめちょる」と明かしていたが、児童は「近くに俺らがおるけん、地震になったら呼んだら来ちゃるけん」と励まし。また、番組のナレーションでは「今回、避難を躊躇う10人の高齢者に話を聞いたところ、子どもに声を掛けられると全ての人が『逃げてみよう』と答えてくれました」と紹介していた。
その後、児童とお年寄りは実際に地震が起こった想定での避難訓練を行い、津波到達予定の3分前に避難タワーに避難できたという結果になった。
この番組の内容はNHKの公式サイトでも紹介されたが、ネット上からは「高齢者の避難に子ども巻き込むのはどうなのか」「児童虐待」「本当に津波が来てる時にやるべきではない」「自分の命を守る事以外の余分なタスクを教えるべきではない」といった批判が殺到する事態になった。
批判を受け、黒潮町公式ツイッターは15日、番組に対する町の見解について記した文書を公開。「放送が『災害発生時に子どもたちが高齢者宅を訪問し、共に避難する』という印象を視聴者の方にあたえたことは、黒潮町としては、大変残念な結果です」とした。
また、町はNHKの今回の放送の趣旨について「『避難をあきらめていた』方に対して、子どもたちが避難訓練に誘い訓練を行うことで、避難できることを実感し『避難をあきらめない』意識に変わっていく様子を視聴者に伝えたかったと伺っております」と説明。
町の小中学校では「第一に『自らの命は自らで守る』という防災に対する主体性を育む教育」を行っていると言い、「“率先避難者”になることを強く指導しております」と釈明。「今後も『災害から生き抜く力』を育む教育を継続してまいります」としていた。
記事内の引用について
高知県黒潮町公式ツイッターより https://twitter.com/kuroshio_town