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『朝日新聞』報道倫理違反だけじゃない、メディアを巡る安倍晋三元首相の疑惑はほかにも

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安倍晋三元首相

 『朝日新聞』(朝日新聞社)の峯村健司氏が、報道倫理に反するとして停職1か月の懲戒処分を受けた。峯村氏は『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)に安倍晋三元首相のインタビューが掲載されるにあたり、安倍氏の意向を受け、記事内容を見せるように取材を担当した副編集長に電話し、「私が全ての顧問を引き受けている」と伝えたとされる。編集部からの抗議を受け、朝日新聞社が事実関係を調べていた。峯村氏は編集委員の職を解かれたが、社の調査は「恣意的」と反論し、退職を報告している。

 新聞社の社員が、安倍氏の代理人を名乗り、他社の出版社が発行する週刊誌の記事内容チェックを要求するのは、編集権の侵害であり、越権行為と言わざるを得ない。さらにこの動きの裏には安倍氏の意向もある。安倍氏はこれまでにもメディアに対して同様の動きを見せてきた。

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 2001年には、NHKで従軍慰安婦に関するドキュメンタリーがオンエアされるにあたり、当時官房副長官を務めていた安倍氏が放送前にNHKの担当者に対し、「公正中立な立場ですべき」といった要求を行ったとされる。一連の経緯は、2005年に『朝日新聞』が「安倍氏らがNHK上層部に圧力をかけた」と報じたが、安倍氏は放送法に基づくよう述べただけと報道内容を否定している。

 2018年には、安倍氏と財務省に汚職疑惑が生ずる、いわゆる「森友問題」が起こる。この問題を森友学園のある地元大阪で取材していたNHK記者の相澤冬樹氏が、突如別部署への異動を命じられたため、8月末で同局を退職。『大阪日日新聞』(新日本海新聞社)記者へ転職し、取材を続けた(21年7月末に退職し、現在はフリーランス)。相澤氏は著作『メディアの闇:「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)で、報道内容が歪められ、その背景には官邸からの圧力とともに、NHKの東京の上層部から安倍政権への“忖度”が存在していたと暴露している。

 真相は定かではないものの、同様の疑惑を繰り返し生じさせる安倍氏には何かしらの説明責任が問われるのではないだろうか。

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