アメリカ・フロリダ州で、生まれてすぐに誘拐された23歳の女性が、誘拐犯であり育ての母親である女の逮捕を受けて、減刑を求めたと海外ニュースサイト『The Daily Star』と『Live 5 News WCSC』が3月26日までに報じた。
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報道によると1998年、女性は生まれて数時間後に女に誘拐されたという。女は看護師のふりをして病院に忍び込み、生まれたばかりの女性をさらった。その後、女性を自分の子どもとして育てたという。なお、生みの母親は当時16歳だった。
女性が19歳になった2017年、生みの母親が女性を見つけた。実の母親は女性が誘拐されてすぐ、アメリカの行方不明者を探す機関に相談。機関が事件から約19年後に女性と思われる人物を見つけ出し、DNA鑑定した結果、女性が実の娘であることが明らかになったという。女は、女性が生まれたフロリダ州から約800キロ離れたサウスカロライナ州で出生届を提出し女性の母親として育てていた。女性の生年月日は誘拐された日で登録されていた。
女性の誘拐が発覚して同年、女は逮捕された。その後、翌2018年2月に女に18年の刑務所行きが言い渡されたという。
判決から数年経った2022年、女性は裁判所に向けて請願書を提出し、女の刑を減らすよう求めた。女性は請願書とともに手紙を提出。手紙には、以下のような内容が書かれていた。
「私は育ての母親を助けるためにこの手紙を書いています。私は彼女が母親であるとはっきりと言えます。彼女は私を育て、私を無条件に愛してくれました」
「彼女の元で恵まれた生活を送りました。彼女が私に与えてくれた全てのおかげで、私は大学で教育を受け、慈悲深い人間に育ちました」
「彼女が私を誘拐したという行動を正当化するつもりはありません。しかし私は彼女を心から愛しているのです。どうか、減刑について検討してください」
女性は、18年の刑期を半分の9年へ短縮するよう求めている。裁判所が女性の要求に関して議論をするのか、また議論するとなればいつになるかは29日までに明らかになっていない。
なお、女性は生みの母親と再会し連絡を取り合うなど良好な関係であるそうだ。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「自分が親だと思っていた人が誘拐犯だと知ったら怒りしかない。この女性は心が広い」「女性が減刑を求めるほどとは、女はよほど愛情を持って女性を育てたのだろう」「19歳まで自分の子どもを見られなかった生みの母親の気持ちを思うといたたまれない」「母親の苦しみを思うと、女性が減刑を求めたことは複雑」「女が女性を誘拐した理由が気になる」などの声が挙がっていた。
女が愛情を持って女性を育てたことは確かかもしれないが、女の犯罪を正当化させないためにも裁判所は難しい判断を迫られることとなるだろう。
記事内の引用について
「Woman begs for mercy for 'mother' who stole her as a newborn and raised her as her own」(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/world-news/woman-stolen-hospital-baby-begs-26563804
「‘I need my mother home’: Woman asks court to reduce sentence of woman who kidnapped her」(Live 5 News WCSC)より
https://www.live5news.com/2022/03/25/i-need-my-mother-home-woman-asks-court-reduce-sentence-woman-who-kidnapped-her/