橋下氏は2月27日放送の『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演。安倍晋三元首相が、核共有(核シェアリング)について「タブー視してはならない」と主張し、議論すべきではと提言した。これに橋下氏も「核共有の議論は絶対に必要」と同意を寄せていた。この発言を受け、岸田文雄首相は同28日の参議院予算委員会で、「非核三原則を堅持するわが国の立場から考えて認められない」と否定する動きを見せている。
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今回のロシアの侵攻は、ウクライナが核を手放したことで起きたという見方が一部ではある。抑止力としての核の必要性に関して、橋下氏は踏み込んだ提言を行ったと言えるが、首相に即座に否定されてしまったところを見るに、この議論はいまだタブー視されているのが現状だろう。
橋下氏は過去にも核を巡る発言が批判されている。2017年5月8日に『橋下×羽鳥の番組』(テレビ朝日系)に出演し、漫画家の小林よしのり氏と激論を交わした。
翌9日に小林氏がオフィシャルブログを更新。「橋下羽鳥の番組はゲッペルスの作業だ」と橋下氏のスタンスと番組の恣意的な編集姿勢を批判した。
小林氏は「例えば、橋下は久間大臣の『原爆を落とされたのは仕方がない』という意見に同調し、『日本の政治家は原爆投下の米国の罪を延々と言い募るつもりか?外交上、仕方がないと思わなければならないのだ』と主張した」と番組のカット内容を暴露している。
さらに、小林氏は「わしは橋下羽鳥の番組に出ると、ヒヤヒヤする。あまりに無茶苦茶な意見を橋下が言うからだ」とも批判している。
これには橋下氏は黙っておらず、9日のツイッターで「やっぱり小林よしのりはバカだった。人の話を理解する能力が欠如しているし自分が絶対的に正しいと勘違いしている。日本の戦争を自衛戦争だと完全に正当化してアメリカの原爆投下だけを非難する矛盾に気付かない。為政者は両行為について反省し、国民は和解するという俺のロジックが理解できない」と応戦している。
橋下氏としてはあくまでも、核兵器の使用や、戦争行為に関しては、双方に利害関係があり、一方的な主張は存在し得ないという立場なのだろう。今回の核共有議論もそうした考えから出てきたものであり、スタンスは一貫していると言えそうだ。
記事内の引用について
小林よしのり氏のオフィシャルブログより https://yoshinori-kobayashi.com
橋下徹氏のツイッターより https://twitter.com/hashimoto_lo