しかし、頭痛の原因には、くも膜下出血、脳出血、脳炎、高血圧脳症、急性・慢性硬膜下血腫、片頭痛、群発頭痛、側頭動脈炎、緑内障など様々なものがあるので、どの科を受診すればよいのか迷うところです。急を要さない場合は、まず、脳の専門家である神経内科を受診してみましょう。
緑内障のように目に症状がある時は、眼科も同時に受診してみてください。また、首から後頭部が痛む頭痛や頸部痛は、緊張性頭痛・筋緊張性頭痛といい、整形外科の領域となる場合があります。一方で、脳出血、脳梗塞(脳の血管が詰まって脳が壊死になる症状)、くも膜下出血(脳内の血管が破裂する症状)は合わせて「脳卒中」といいますが、この場合は急を要します。
急に強い頭痛が起きた時は、脳の専門病院や脳神経外科がある、できるだけ大きな病院で早急に受診してください。治療が早いほど、後々の後遺症のリスクを減らすことができます。
整形外科の筋肉性や末梢神経性の頭痛は急がないので、脳に問題がなければ、その後に受診することで構いません。
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井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp