カナダ・オンタリオ州で、55歳の実業家の男が、現金約100万ドル(約1億1000万円)を燃やし、離婚した元妻と子供に財産を譲渡するのを拒んだと、海外ニュースサイト『Ottawa Citizen』と『New York Post』が2月5日までに報じた。報道によると、男は6つの口座から合計約100万ドルを引き出し、2回に分けて燃やしたという。
男は離婚裁判で、「自分の貯金は全て燃やしたため、自分には資産がない」と主張した。裁判官は現金を燃やしている動画がなく、目撃者もいないため、男が嘘をつき、証拠はないものの現金をどこかに隠しているのではないかと指摘した。裁判官は男に対し、正直に話すように言ったが、男は「現金を燃やした」という主張を変えることはなかった。元妻の弁護士は、男が事業による収入などで毎月9000ドル(約99万円)を得ており、貯金を燃やしたとしても確実に資産はあるはずだと主張していた。
裁判官は男の現金を燃やしたという発言は信じがたいとして、男を30日間拘束するとともに、元妻に1日2000ドル(約22万円)の罰金を支払うように命じた。裁判は今後も、引き続き行われる。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「100万ドルを燃やすほど、男は元妻にお金を渡したくなかったのか。夫婦の間に何かトラブルがあって元妻を恨んでいたのか」「男はよほどお金に執着がなかったのか」「100万ドルを燃やすだなんてあり得ない。きっとどこかに隠しているはず」「うちは普通の家だったけど、離婚の際は財産分与でかなり揉めた。この男と元妻の場合はかなりの時間がかかることが想像できる」などの声が挙がっていた。
海外には、元妻に資産を渡すのを防ぐため、資産を燃やした人間が他にもいる。
イギリス・サウスヨークシャーで、当時50歳の男が、約35万ポンド(約5000万円)の自宅を燃やし、当時49歳の元妻へ自宅を譲渡するのを拒んだと、海外ニュースサイト『Daily Mail Online』が2007年11月に報じた。自宅はほぼ全焼した。同記事によると、2人は事件が起こる約1年前に離婚しており、事件が起きた時は、離婚裁判が行われている途中だったという。離婚後、2人は別居していた。自宅の名義は元妻のもので、元妻は自宅を財産分与で受け取ると主張していたが、男は拒否していたそうだ。
男は深夜、自宅に火をつけた。火事が起きた時、元妻は友人宅におり、幸いにも家の中に人はおらず、けが人はいなかった。男は放火の罪に問われ、逮捕された。警察は、男の動機について、「財産分与で自宅を元妻に渡したくなかったことで、自宅を燃やしたのだろう」と話している。
離婚後の財産分与で納得がいかないからといって資産を燃やす行為は、子供じみていて恥ずかしい行為だ。
記事内の引用について
Ottawa businessman tells incredulous judge he burned $1M cash to keep it from ex-wife」(Ottawa Citizen)より
https://ottawacitizen.com/news/local-news/0204-mcconville?utm_source=distroscale&utm_medium=native_ads&utm_campaign=on_network_boosting&utm_content=trending_broadsheet
「Man sets fire to $1M to keep ex-wife from getting it」(New York Post)より
https://nypost.com/2020/02/05/man-sets-fire-to-1m-to-keep-ex-wife-from-getting-it/
「Man 'torched £350,000 home to stop his wife getting it in divorce'」(Daily Mail Online)より
https://www.dailymail.co.uk/news/article-495272/Man-torched-350-000-home-stop-wife-getting-divorce.html