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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ 免疫力が上がる日常生活

 風邪や二日酔いを撃退、腸の調子がよくなる!日常生活のひと工夫で“免疫力が上がる”ワザを公開!!

 免疫力の低下は、単に体の不調を引き起こすだけではない。例えば、不健康になることでやる気がなくなり、ストレスがたまってミスも増える。その結果、上司のウケが悪くなって出世が遠のき、収入が増えなくてストレスがたまる。そして、ストレスのせいで免疫力がさらに低下する……。こうした負の循環が生じ、何もかも悪い方向に向かってしまうのだ。

 他にも、免疫力が低下すると次のようなサインが出てくる。

・風邪を引きやすくなる
・口内炎ができる
・便秘や下痢になりやすい
・体が冷えやすい
・肌荒れがひどくなる
・よく眠れない

 こうしたサインを放っておくと、最終的にはがんや生活習慣病などに罹患するリスクが高くなってしまう。
 これに対し、免疫力が上がると次のような効果が出てくる。

・腸の調子がよくなる
・二日酔いになりにくい
・実年齢より若く見える
・風邪を引いてもすぐ治る

 日々健康なのでストレスがたまりにくく、活気がある人と思われるようになる。そうなると仕事のモチベーションもアップして成果も出るようになり、収入がアップしてさらにやる気が湧いてくる……。

 これらは決して大げさな話ではない。免疫力を上げるだけで、人生を上向かせることができるのだ。

★少しの工夫で免疫力アップ

 免疫力を上げるのは、そんなに難しいことではない。ちょっとした日常生活や食事、運動などの工夫で高めることができる。さらに、イシハラクリニック副院長で、テレビや講演、執筆でも活躍する石原新菜先生は、免疫力を高めるカギは体の「冷え」にあると説く。

「人間の体は36・5℃から37℃の体温の時に働きやすく、36℃未満だと活動が弱くなります。代謝も悪くなり、頭痛や肩こりなども起こりやすくなるので、免疫力を高めたければ、常に体を温めることを意識した生活を心がけるべきです。最近は生活環境の変化の影響もあり、日本人に『冷え』が蔓延しています。特に冬は、外気の寒さで体温が低くなりやすいので、体を冷やさないよう気をつける必要があります」

 最近は、手足の冷えの自覚症状がない「隠れ冷え性」という人も増えている。放っておくと免疫力の低下につながるので、体温計の数値に惑わされず、お腹や下半身をこまめに確認しよう。

★入浴や睡眠に気をつける

 入浴や睡眠、娯楽・団らんといった日常生活を見直すことで、免疫力のアップにつながる。ポイントは、「体温の上昇」と「ストレスの解消」だ。

「入浴には、体の内部の冷えを解消して全身の血行をよくし、免疫細胞の働きを活発にして免疫力を高める作用があります。入浴で汗をかいたら、体温は約1℃上がった証拠。この時、免疫力は一時的に5〜6倍になっていると言われています」(石原先生)

 入浴効果を高めたいのであれば、「温かいお湯に2〜3分つかる」→「シャワーで手足に冷たい水を数秒かける」という流れを5回ほど繰り返してみよう。炭酸ガス入りの入浴剤を使うのもお勧めだ。

「最近はシャワーだけで済ませる人も多いですが、体の深部までは温まりにくいです。免疫力を高める効果があるHSP(ヒートショックプロテイン)は、シャワーより入浴したほうが出ます。しかし、忙しくて湯につかる余裕がない方は、42℃のシャワーを3分程度浴びましょう。交感神経を刺激して体を活性化させられます」(石原先生)

 また、免疫力をアップさせるには、睡眠をしっかりとるのも大事だ。眠っている間に分泌される成長ホルモンには、痛んだ細胞を修復したり、免疫の働きを強化したりする作用があるので、7時間の睡眠を心がけよう。

 中には忙しくて寝る時間が確保できない人もいるかもしれないが、長生きするには最低でも6時間の睡眠が必要である。

 ただし、睡眠の質が低いと7時間寝ても成長ホルモンが十分に分泌されないので、就寝前のスマホの使用や寝酒はNGだ。部屋を真っ暗にして、静かに目を閉じて寝る準備をしよう。

 そして、ストレスの蓄積も免疫力の低下につながるので、適度に発散することが大切だ。テレビやお笑いの舞台を見て笑ったり、友人や家族と楽しく話す、カラオケで思いっきり歌う、泣ける映画を見て号泣することでストレスが解消し、免疫力がアップする。

「血液中の水に溶けない老廃物は、息を吐くことでも排出できます。深く吐くと気が休まり、血行がよくなって体が温まるので、冷えを感じたら深呼吸をして落ち着きましょう」(石原先生)

 また、誰かに親切にしてもらった時に「すみません」と謝ると、脳がストレスを感じてしまう。それよりも「ありがとう」とお礼を言ったほうが、幸せホルモンが得られてストレスを取り除いてくれる。

★適度な運動が病気を防ぐ

 体を動かすのは自律神経のバランスを整え、免疫力を上げるのにも効果的だが、激しい運動をすると有害な活性酸素が大量発生するので、免疫細胞の活性を下げてしまう。

 かといって、まったく体を動かさないのも免疫力の低下を招くので、ウオーキングなどの有酸素運動を行うのがベストだ。ダラダラ歩くのではなく、少し息がはずむくらいの早歩きが最も効果的である。

 他にも、肩の上げ下ろしで肩こりを解消したり、お尻に力を入れて正しい姿勢をとる、階段をつま先で上がるなど、ちょっとした工夫を積み重ねることで免疫力のアップにつながる。

 また、座りっぱなしだと下半身の血流が悪くなって、全身の血の流れにも影響を及ぼしてしまう。座り作業をする時は、一定時間ごとに立って足を動かすなどして「座りっぱなし」にならないようにしよう。

◉免疫力とは?様々な病気から体を守り、健康を維持する力のこと。同じ環境にいても、免疫力によって病気になりやすいかどうかが変わってくる。

昼間に免疫力を上げるコツ〇を積極的に行い、×には気をつけよう!
〇せかせか早歩き(生活習慣病に効果。認知症予防)
〇肩の上げ下ろし(肩こり知らずになり、体温も上昇)
〇階段をつま先で上がる(ふくらはぎ強化)
〇「ありがとう」を口ぐせに(幸せホルモンが活性化)
〇友人や仲間と楽しく話す(リラックスしてストレスを解消)
×運動をしない(筋力も免疫力も低下)
×激しすぎる運動
 (有害な活性酸素が大量発生。免疫細胞の活性低下)
×座りっぱなし
 (下半身の血流悪化で全身に悪影響)
×悪い姿勢
 (全身の筋肉に無理な負荷をかけてしまう)

夜に免疫力を上げるコツ
〇テレビやお笑い番組を見て笑う(NK細胞の活性化。ストレス解消)
〇泣ける映画を鑑賞(ストレス解消。デトックス効果)
〇カラオケ(歌ってリラックス)
〇質が高くて深い眠り「ノンレム睡眠」(免疫力を高める成長ホルモンの分泌)
〇理想は7時間睡眠(5時間以下だと心血管系の病気などを発症しやすいという研究結果がある)
〇汗をかく(体温1℃上昇で免疫力は一時的に5〜6倍に)
×サッとシャワーを浴びる(体の深部までは温まらない)
×寝酒(就寝中に覚醒しやすく、睡眠の質が低下)
×就寝前のスマホ使用(交感神経が刺激されて睡眠の質が低下)

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監修/石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。1980年長崎県生まれ。2006年帝京大学医学部卒業。現在は父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたる。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。

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