昨年度版で認定された三つ星店は8店で、これはミシュラン社の地元フランス・パリに次ぐ2位。「2009」では新たに日本料理の「石かわ」(新宿区神楽坂)が加わり9店に。これで東京は本家パリと並び、世界一の食の都となった。
今年は昨年よりエリアを拡大し、台東区、杉並区、墨田区、大田区、世田谷区の5区を新たに加え13区とした。調査員も昨年の5人(うち日本人2人)から6人(うち日本人5人)へと増強。計203店が掲載されている。
さらなる驚きは星の数。世界の他のガイドブックでは、たとえ掲載されたとしてもその中で星のつく店は15%に満たない。今回、東京の空に輝いた227個の星は昨年に続き世界一となった。
ミシュランガイド総責任者のジャン=リュック・ナレ氏(47)も「伝統を大切にし、世界の食材から美しい料理を作り上げる東京は“ハイレベルな食の都”」と手放しで称賛。不景気になれば外食を控える人も増えそうだが、発行部数は強気で昨年度より多くなるという。「たった2300円で間違った店を選ばなくてよくなる。不景気だからこそ良い支出だと思う」(同氏)と自信タップリだ。
しかし、昨年はその評判とともに批判の声も上がった。石原慎太郎都知事からは、「まだまだ彼らの行ってないレストランはあると思いますよ。焼き鳥屋だってバカにしたもんじゃない」との発言も出た。フランス料理やすし店ばかりの選考に苦言を呈した格好だ。
そんな都知事の思いも届かず、2009年版にも“焼き鳥屋”はランクインせず。サラリーマンの味はまだまだ外国人美食家たちには認知されてないようだ。
ちなみに「ホッケの煮付け」発言で、庶民感覚とかけ離れた美食ぶりが露見した麻生太郎首相。その行きつけ店の「馬尻」(港区六本木)や「ゴールデンライオン」(千代田区内幸町)も掲載なしだった。