企業でも「ビジネスライティング」の研修を取り入れていることが多く、中でも「メールの書きかたの基本」となる「相手が読む気になる方法」を実践的に学んでいるようだ。
まず「相手が読む気になるかどうか」は、メールを受信した際にタイトルが目に付くかが重要になってくる。セキュリティ対策から、本文が表示されない設定になっている場合でも、タイトルだけは認識できる場合が多い。そこで、ありがちな「お疲れ様です」「昨日はありがとうございました」などのタイトルはやめたほうがいいという。「11月1日大阪販売促進会議の件」などと、具体的な内容に踏み込むようにすると、相手の読む気がグッと沸くとのこと。相手がピンとくるタイトルを付けるよう心がけよう。
次は本文。新聞の場合、一文の長さは約30字だ。これは人の呼吸の一息が7秒間程度で、その中で読める文の長さが40〜50字程度であるからと言われている。新聞はさまざまな年代が読むことを想定し、それよりも短い設定にしているとのこと。一般のビジネスメールではもう少し多い40〜50字程度で問題ないだろう。
そしてメール全体の分量は200字程度が望ましいようだ。これは口頭で1分間で説明できる文字数が約200字で、頭に入って理解しやすい分量も同じ程度であるからと言われている。重要でない内容は徹底的に削り「簡素で正確」な文書を作成することがカギとのことだ。
ひと昔前のビジネスシーンでは、クライアント先に直接出向き、必ず対面することが誠意とされていた。その後、電話で打ち合わせする流れに変わり、今ではメール、チャットなどのツールでやり取りを済ませるのが当たり前になっている。メールで、上手に要件を伝えられるスキルがあれば、忙しい相手への心遣いにもなり、自分の評価も自然と上がっていくことになるだろう。
メールは毎日使うもの。時代のトレンドに乗り遅れない”デキるビジネスマン”になるために、もう一度メールの書き方を見直してみてはどうだろうか。
文 / 萩原 孝弘