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日本ダービー これぞ史上初の珍事 明暗を分けた4頭とは!?

 ダービー戦線異状アリ!今年で75回目を迎える「日本ダービー」(JpnI 東京芝2400m 6月1日)だが、長い歴史の中でもこれほど混迷を極めた年はないだろう。収得賞金が分散した結果、重賞勝ち馬が除外対象となる珍事まで起こっているなか、不気味なオーラを放つのはダービーTRでちゃっかり(?)出走権をゲットとした900万組だ。アグネススターチ&モンテクリスエス。運のある馬が勝つといわれるダービーだけに、この2頭、マジで軽くは扱えない。

 速い馬が勝つのが皐月賞、強い馬が勝つのが菊花賞。そして、運のある馬が勝つといわれているのがダービーだ。
 では、今年のメンバーで最も運があるのは?答えは簡単。重賞勝ち馬2頭を除外候補に押しやり、ファイナリストに名を連ねた収得賞金900万の“条件馬”2頭だ。しかも、この両陣営…不気味なことにオリンピック精神では臨んでこない。ともに一発逆転に虎視たんたんだ。
 まずは、アグネススターチ。TR・プリシンシパルSでは後続を引き離す大逃げでスタンドをわかせ、見事に2着をゲット。プラチナチケットを手に入れた。
 栗東一・豪放らい落な性格で有名な大根田師は「同期の調教師で一番最初に(管理馬を)ダービーに出せるのは気分がいい」とニンマリだ。
 3年前にもチャンスはあった。西のダービー最終便・京都新聞杯でコメディアデラルテがハナ差2着。賞金的にダービーへの出走権を確保したが、レース後、能失に近い骨折が判明し、戦線リタイアを余儀なくされた苦い経験がある。それだけに、スターチにかける期待は大きい。
 「とにかく、左回りだと走りがいいし、コーナーが広くて緩い東京はピッタリ。控えてはまったく持ち味がないので、今回も出ムチをくれてハナに立つよ」とやる気満々。
 「強い馬が相手を見ながら優等生の競馬をするより、例え、テレビ馬といわれようと、ガンガン行く方がファンも楽しいし、負けても納得。ダービーは年に一度のお祭りなんだし」と言って北島三郎の“祭りだ”を口ずさんだ。
 成績にムラはあるが、これまでハナを切った競馬では<2100>と崩れはまったくない。自分の形に持ち込めれば、アッと驚く逃走劇があるかもしれない。
 一方、モンテクリスエスもトライアルの青葉賞で3着と、土壇場でダービーへの最終切符を掴んだ惑星だ。松田国師はいつもながらの理路整然とした話しぶり。NHKマイルC2着のブラックシェルとの2頭出しだが、「今年は傑出した馬がいないしチャンスは十分ある」と色気たっぷりだ。
 馬房からブラック、モンテの両馬を引き出して、カメラマンに写真撮影をさせながら、松田国師の口調は滑らかで力強い。
 「栗東の方が冬場に雪が多く、DWや坂路が閉鎖されたのが痛かった。普段は540kg前後もある馬にとって“メタボ”との戦いでもあったんだ。暖かくなって関東馬との力関係が逆転したね。大型馬だが、筋肉が付き過ぎることもなく、アバラが浮いている」
 まずは状態の良さに太鼓判を押すと、「完歩が大きい馬だから府中の2400mはぴったり」ダービーに手応えありの意欲的コメントが続いた。
 さらに「ダービーに2頭出しさせてくれたスタッフに感謝している。私も1番人気のキングカメハメハとタニノギムレットでダービーを勝っている調教師ですから」とキッパリ。ダービー制覇へ超強気だ。
 青葉賞はアドマイヤコマンドの3着だが、差はわずかにコンマ4秒と逆転圏内。「もう少し前で流れに乗れていれば、もっと際どい勝負になっていたはず。もちろんチャンスはあると思っています」と同師のトーンは上がる一方だ。
 史上に残る戦国ダービーだけに、収得賞金900万のアグネス、モンテの両馬が、アッと驚くワンツーフィニュッシュをしても不思議ではない。
 逆に、混戦ダービーの被害者になってしまったのが、現在、補欠の1番手に甘んじているオリエンタルロックとフサイチアソートだ。この2頭の名前を見て、「ん?」と思われた方もいるだろう。
 そう…2頭ともに重賞勝ちのある実績馬なのだ。1984年のグレート制導入以降、ダービーでタイトルホースが除外されたケースは一度もない。この2頭はまさしく今、前代未聞の憂き目に遭おうとしているのだ。
 フサイチアソートは昨秋の東スポ杯2歳Sをわずか1戦のキャリアで制した。その後、休養を挟んでの叩き3戦目。ダービーでのばん回を期していたが、蚊帳(かや)の外に追いやられてしまった。
 皮肉にも、「皐月賞の後、デキはグングン良くなっているんだよね。実績のある東京で今度はこそは!と期待していたんだけど」と岩戸師。「完全に予定が狂った。1頭やめたとしても抽選だし…。もう神頼みするしかないよ」とボヤいていた。
 一方、“ついていない”もう一頭のオリエンタルロックは、昨夏の札幌2歳Sを勝った際、厩舎ではスタッフ一同、万々歳したという。
 「厩舎初の(所属馬の)ダービー出走がかなったと思ったからね」と大賀助手。当馬は除外を見越し、中京の白百合Sに回る予定だ。しかし、ダービーに対する思いは捨てたわけではない。
 「その後はJDD(ジャパンダートダービー)に行こうと先生(田所秀師)に進言しようと思ってるんだ(笑)」
 東京がダメなら大井があるさ…。大賀助手はもう笑うしかないといった感じだった。

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