逮捕容疑は、1月20日、栃木県の金券ショップで、偽造された「ワンデーパス入場引換券」200枚を正規の券と偽って換金し、現金10万円をだまし取った疑い。県警によると、元課長は容疑を認めており、「パチンコなどで多額の借金があり、返済のためにやった」と供述している。
入場引換券が大量に持ち込まれた金券ショップ店員が不審に思い、同園に問い合わせ調べたところ、偽造チケットだと分かった。同園は2月21日、県警杉戸署に相談していた。
調べによると、元課長は12年12月頃から今年にかけ、群馬県内の印刷業者に本物の引換券を持ち込み、偽造券の印刷を発注し、約9万5000枚の引換券が偽造された。そのうち、借金返済の担保としてチケットを手渡した関係先などから、約1万7000枚を押収したが、残りは東京、埼玉、群馬の金券ショップで出回っており、7万枚以上が流通している可能性がある。
偽造されたチケットは精巧で見分けが付きにくく、本物よりミシン目が細かく、切れやすくなっているという。
元課長は運営会社に90年に入社。業務部、経営企画部で課長を兼務していた。チケットの印刷発注は業務部で行っていたが、元課長は直接の担当ではなかったという。今年1月10日付で自己都合を理由に退職している。
運営会社では、「お客さまや関係者に不安と、ご迷惑をおかけし申し訳ない」と陳謝。同園ではホームページで注意を呼び掛けるとともに、4月13日まで、偽造券を「入園券」として利用できる措置を取っている。
(蔵元英二)