原辰徳監督
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スポーツ 2021年02月18日 11時10分
巨人ドラ1・平内、因縁の広島相手に3イニングを任されたワケ 復活をかける小林の今後にも影響?
「手の内」を見せすぎたのでは? 原巨人の今季初の対外試合の相手は広島カープだった。昨季は直接対決で勝ち越したが、19年までは5年連続で負け越している。その苦手チームとの対戦は今季の実力を測る絶好の機会ともなる。3連覇を果たすため、絶対に負け越すことのできない相手だ。 しかし、原辰徳監督は「一軍戦力」として計算に入れている平内龍太(亜大)、伊藤優輔(三菱パワー)の両投手をマウンドに送った。負け越すことのできない相手に対し、新戦力は隠しておきたいはずだが…。 「広島の佐々岡監督もドラフト1位・栗林、2位・森浦、3位・大道の3投手を投げさせています。V奪還をめざす広島も今季の巨人戦は絶対に勝ち越したいはず」(球界関係者) 試合結果は両チームの投手が奮闘し、無失点での引き分けとなったのは既報通り。期待の新戦力が結果を出したことに原監督も笑顔を見せていたが、対戦した広島はもちろん、ネット裏には他球団のスコアラーも陣取っていた。 「平内は直球中心のピッチングでした。持ち球の変化球を全部見せないよう、指示されていたのかもしれません」 ライバル球団のスコアラーがそう言う。 >>巨人ドラ1・平内に「勝つのは難しい」 紅白戦で無失点の好投も、堀内元監督の鋭い指摘に驚きの声<< 対照的な情報も聞かれた。平内は「もっと投げさせるべき」との意見だ。 「キャンプ序盤から平内はプロのマウンドに違和感を持っていました。マウンドの土が固いと感じており、その違和感をなくすには実戦を積み重ねていくしかありません」(前出・球界関係者) また、チーム事情も影響していたようだ。今季は投打ともにベテラン、主力選手たちには意図的にスローペースでの調整をさせており、開幕直前のオープン戦になれば、それは全て彼らの調整機会となる。若手がアピールする機会は「2月中しかない」という。 「平内は11日の紅白戦でも投げていますが、1イニングだけ。先発で起用していく予定なので、広島戦では2イニング目、3イニング目にどんなピッチングになるのか、見てみたかったのでは」(前出・同) 3イニング無失点なので、合格だろう。 もっとも、平内の好投で“恩恵”を受けた選手もいた。小林誠司捕手だ。 二盗を阻止するなど肩の強さは相変わらずだが、平内を無失点ピッチングに導いたことでリード面も評価されたはずだ。昨季は故障もあり、出場機会が激減した。首脳陣が計算に入れている新人投手から「頼りになる先輩」と思われれば、ペナントレース本番でもバッテリーを組むことになる。原監督の「実戦向き」なる平内評には、再起をめざす小林のことも含まれていたのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年02月04日 11時20分
今季の巨人、松原・若林ら控えがシーズンを左右? 原監督は既に対策か、先発陣の駒不足で危惧されるリスクとは
原巨人で“ヘンな情報”が流れている。今年のキャンプ中の夕食はかなり美味い、それも、ボリューム満点で。 結論から先に言えば、その噂は本当だった。体作りの一環でキャンプ中のメニューが見直されたという。これも、ソフトバンクに対抗するためだそうだ。 しかし、若手選手のモチベーションが心配だ。 「今季、『空席のポジション』はセカンドしかないようです。昨季後半、松原聖弥、若林晃弘が頭角を現しましたが、今年は出場機会が激減しそう。松原は外野手、若林は登録こそ内野手ですが、外野での出場が多かった。フリーエージェントで梶谷隆幸外野手を獲得し、外国人選手も新たに2人獲得しています」(ベテラン記者) 梶谷の巨人移籍が決まった昨年12月、「1番・梶谷、2番・坂本、3番・丸、4番・岡本」の打順構想が各メディアで伝えられていた。 梶谷、丸、外国人選手とのレギュラー争いとなれば、相当キツイ。 「巨人はレギュラーと控え選手の力の差が大きい。ソフトバンクはレギュラーが故障しても、新しい選手が出て来て、そのままレギュラーに定着するような活躍も見せています」(前出・同) 「打倒ソフト」を果たすには、成長過程にある松原たちを“ヤル気”にさせなければならない。 >>巨人ドラ1・平内が早くも弱点を露呈? 原監督の意味深な指摘、ライバルの同期とも明暗分かれるか<< とは言え、今年の野手は「総動員になる」との指摘も聞かれた。 「やはり、先発投手の人材難は解消されませんでした。菅野、戸郷までは計算できます。でも、3番手以降は…」(プロ野球解説者) 改めて、昨季のデータを見てみると、巨人投手の中で規定投球回数に達したピッチャーは、菅野智之しかいない。戸郷も100イニング以上を投げたが、勝ち星は9勝。2ケタに届いていない。3番手以降を狙う今村、サンチェスも安定せず、メルセデス、畠らも故障明けというリスクを抱えている。 そうなると、菅野以外が投げる試合は“乱打戦”になる可能性が高く、それにより、野手は代打、代走、守備固めなどでの途中出場も多くなる。松原たちが昨季以上に活躍しなければ、3連覇はない。 「主力、一、二軍、そして、三軍に分けてキャンプインさせたのは正解だったかも。レギュラー奪取という同じ目的を持った中堅クラスでまとまれば、良い意味で連帯感も強まります」(前出・同) 一軍キャンプがスタートした宮崎・サンマリン球場だが、スタンドに観戦者がいないせいか、選手の声がかなり響いている。 先発投手の不安定さを埋める野手陣の奮闘が「連覇のカギ」となりそうだが、チーム関係者によれば、原辰徳監督は昨季中継ぎだった中川皓太のクローザー転向案を温めているという。 中川には圧倒的な球威はない。どちらかというと、打ち損じのゴロ・アウトを積み上げていくタイプだ。先発陣の不安定さに加え、新クローザーを育てるとなれば、9回最後のマウンドを守り切れず、延長戦に突入する試合も自ずと増えていく。キャンプ中の食事を“大盛り”に変えたのは、長丁場を戦うためでもあるようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年01月13日 11時15分
桑田氏の巨人コーチ就任、原監督との因縁が原因? 他コーチとの配置転換はグラウンド外にも好影響か
巨人・原辰徳監督と桑田真澄氏がオンライン会見に臨み、リーグ3連覇と日本一奪還の熱い思いを語った。会見で注目されたのは、桑田氏のコーチとしての肩書とその役割。「投手チーフコーチ補佐」。つまり、宮本和知投手チーフコーチのサポート役である。立場的には“投手部門のナンバー2”ということだろうか。 「桑田コーチの入閣によって、本当に強化されたのはスカウト部門ですよ」(球界関係者) どういうことかというと、宮本コーチのサポート役は水野雄仁巡回投手コーチだった。一、二軍はもちろん、三軍やリハビリ組の様子を確認し、二軍スタッフとの連絡係を務め、時には投手の直接指導も行っていた。しかし、昨季途中から「スカウト」としての視察業務も加わり、多忙を極めていた。 「水野コーチはスカウトとしての眼力がありました。宮本コーチのサポート役には後任として桑田氏がコーチに迎えられました」(前出・同) 各方面の話を総合すると、原監督は昨年12月28日、山口寿一オーナーに連絡を入れ、桑田招聘の意向を伝えた。この日は球団事務所の仕事納めでもあり、「誰かと会った」という情報は聞かれなかった。電話会談で原監督の提案を了承したのだろう。 「桑田氏の元に連絡を入れたのは、年明けの1月5日。二つ返事で快諾したようです」(同) >>巨人コーチに桑田氏就任で「ピッチャー陣が変わるかも」上原氏ら球界人も期待 本人は早くも闘志「指導者としてもエースに」<< 原監督と桑田コーチの関係で思い出されるのが、第一期政権下の02年6月18日(対横浜)での「代打起用」だ。同点で迎えた延長11回表、原監督は先頭打者が四球を選ぶと、桑田氏の代打起用を告げた。交代させられたのは途中出場のリリーフ投手であり、ベンチにはまだ何人かの野手が待機していた。 その桑田氏がバスターを決め、勝利したことは有名だが、この話には後日談がある。 「翌朝のスポーツ新聞は『原マジック』と称賛しました。でも、原監督は父・貢氏に電話をし、あの采配が正しかったのかどうかを相談しています。投手を代打起用させた後、他の野手の気持ちを思ったからです。代打登場した翌日の桑田氏ですが、メディアが代打成功したことを質問しても、露骨にイヤそうな顔を返していました。代打の準備をしていた野手のことを思ったからです」(前出・同) 原監督はこうした桑田氏の言動を聞かされ、「同じことを心配している」と親近感を持ったそうだ。4番だった原監督、エースを張った桑田コーチ。立場が異なるが、チーム論という点ではすでに意気投合していたのかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年12月30日 17時30分
巨人、左の先発・リリーバーに課題が? 意味深な背番号変更に隠された原監督の思惑とは
原巨人のオフの恒例行事と言っていいだろう。2020-21年オフも、背番号のシャッフルが行われた。 注目は、「26」と「47」。今村信貴投手が巨人の左エースナンバーでもある「26」を継承し、20年シーズンにその「26」を背負っていた高橋優貴投手が「47」を付けることになった。 「背番号の変更は、基本的に原辰徳監督が一人で考え、当該選手に通達しています。その背番号を付けた歴代選手のこと、期待している旨も話しながら」(球界関係者) 今回のシャッフル劇には“チームの弱点”も隠されていたようだ。 「20年後半、今村が頑張りました。チームの弱点である先発投手の駒不足を補う一人として、期待しているのでしょう。同時に、26番を与えたということは『左の先発要員』として認められたんです」(前出・同) 「26」は、埼玉西武ライオンズに移籍した内海哲也投手が付けていた。その内海が巨人を去った18-19年オフ、チーム内で今村のことが話題になっていたという。 「今村、凄く良いよ。今年はやってくれそう」 オフの期間、選手たちは何人かのグループになって練習をする。今村は内海のグループに加わることが多かった。18年、開幕から初めてローテーション入りした。自信もついたのだろう。キャッチボール一つでも、ボールのキレ、そのボールの回転数などで成長を認められていた。 「内海の自主トレグループに加わっていた若手の今村がその背番号を継承するのも、運命的ですね」(ベテラン記者) 20年シーズン、先発を務めた主な投手は、菅野、戸郷、サンチェス。左投手ではメルセデス、田口麗斗もいたが、故障や不振でシーズンを通してローテーションを守ることができなかった。「左のエースになってくれ!」の期待が今村に向けられているのだろう。 しかし、その「26」を付けていた高橋はどうなのか。「47」は、工藤公康(現ソフトバンク監督)、山口鉄也(現ファームコーチ)もつけていた。特に、西武、ダイエー、巨人、横浜を渡り歩いた工藤の影響で、他球団でも左投手が背負うケースが多い。 「原監督が復帰してからの2年間、47番を背負ったのは、吉川光夫、藤岡貴裕。ともに左投手です。2人に対し、原監督は『左のセットアッパー』という役どころを伝えていました」(前出・関係者) 原監督が日本シリーズで敗れた後、「もう一度、チームを作り直す」と言った。第三期政権になって、今、チームにない“ピース”。それは、山口鉄也のような左のタフネス・リリーバーだ。21年、高橋はリリーフに専念するのではないだろうか。 「高橋は18年ドラフト会議の1位指名投手ですよ。ドライチは先発で育てるのが一般的」(選出・ベテラン記者) 近年のプロ野球では、先発とリリーバーで「どっちが格上か?」という評価はなくなった。どの球団も9回最後のマウンドを締めるクローザーを最初に決める。近年では「クローザーに繋ぐ7、8回のセットアッパー」にも重きを置いており、その観点で言えば、第二期政権での10年間で6度の優勝、日本一2回を果たせたのは、左のセットアッパー・山口がいたからだ。高橋を“令和の山口”に育て上げようとしているようだ。 現チームの弱点は左の先発不在と、タフネスな左腕リリーバーがいないこと。今回の背番号のシャッフルには、今村、高橋への期待が込められている。高橋にリリーフの適性がなかった場合、「ドライチは先発候補」という前時代的発想で、原監督は大バッシングを浴びるだろう。「26」と「47」が、2021年のキーナンバーになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年11月29日 11時00分
日シリ惨敗の巨人、原監督はほぼ“無策”だった?「一回りも二回りも大きくならないと」2年連続の悲劇は必然だったのか
「リリーフ戸郷」が王者との戦いで唯一、繰り出した奇策だったのだろうか。 昨年に続いて巨人の4連敗で幕を閉じた、2020年の日本シリーズ。王者ソフトバンクに対し、原ジャイアンツは4得点26失点と、投打にわたり完膚なきまでに打ちのめされての敗北だった。その中で見せた、戸郷翔征のリリーフでの起用は、今後も物議を醸すことになるかもしれない。 初戦、エース菅野智之が打ち込まれ6回で降板となった後、指揮官が2番手としてマウンドに送ったのは戸郷翔征だった。シーズン中は菅野同様、先発として9勝を挙げた右腕がリリーフで、しかもリードを許した場面での登板だった。続く2戦目にも、先制を許した後の2回から、さらには最終戦となった4戦目も、4点を失いビハインドを背負った中で3回から、戸郷の名前がコールされている。 シリーズ前より、手薄な救援陣を支えるべく、フル回転での起用が伝えられていたものの、一度の先発も果たすことなく、劣勢での登板が繰り返された。結果的に3度のリリーフ起用でも勝利に結びつけることは出来なかった。先発陣では3戦目のサンチェスこそ好投を見せたものの、菅野を始め、2戦目の今村、4戦目の畠世周も早々にソフトバンク打線に捕まりゲームを作ることが出来ず、今シリーズも先発陣のコマ不足が明らかだった。 ペナントレース中は幾度となく大胆な采配を揮い、セ5球団を圧倒してきたものの、ソフトバンクに対しては目立った選手変更などを見せることはなかった。快音を放てず、4試合で安打が僅か一本の4番岡本を、最後まで打線の中心に据えたままだったことや、勝負所で相手左ピッチャーに対し、右打者の代打が準備されていなかったことなど、リーグ2連覇の指揮官の手腕は影を潜めていた。 「コーチ、選手、私も含めて、一回りも二回りも大きくならないといけない」 敗戦後、原監督はそうコメントしている。勝機を見出せなかった要因として、迫力を欠いた打線の貧弱さが真っ先に挙げられるが、指揮官の投手起用においても若き背番号13、戸郷翔征に一度の先発の機会も与ることのなかったことに大きな疑問が残った。そう思うファンは決して少なくないだろう。そして大舞台で悲劇は繰り返された。(佐藤文孝)
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スポーツ 2020年11月27日 11時05分
日シリわずか“4得点”の巨人、DH適応のキーマンは松井氏?「巨人のことは気になっていた」来春キャンプでの臨時コーチはあるか
シリーズ大敗のダメージを払拭するカギは、ニューヨークにありそうだ。巨人はNPB史上初となる2年連続4連敗の屈辱を喫した。原辰徳監督は帰京の途に就いた11月26日、過密日程を戦い抜いた選手たちの体調管理も心配していた。他に言いたいことがあったはず。あえて、そこに触れなかったのではないだろうか。 原監督が記者団とも議論したかったのは、指名打者制(以下=DH)のこと。「セ・リーグにもDH制を」と同制度の導入を訴えてきたのに、攻撃力アップとはならなかったからだ。しかし、そのDH制を知る手掛かりは、“元同僚”が持っていた。ゴジラこと、松井秀喜氏だ。 >>大補強浮上の巨人に「短絡的すぎる」と反発「ソフトバンクみたいに…」育成への注力を切望する声も<< 「松井氏が“世界”の頂点を極めた時は、DHでした。DHを経験したのはヤンキース移籍後です」(球界関係者) 奇しくも、原監督がシリーズ決戦の地を離れた同日、松井氏はビジネスマン向けの講習会に出演し、経営者とのオンライン対談を繰り広げていた。 「やはり、巨人のことは気になっていたみたいです。古巣のナインたちの悔しさを代弁し、失敗も後の経験値となると伝えていました」(スポーツ紙記者) 松井氏のDH出場。2009年ワールドシリーズでMVPに選ばれた第6戦、彼は「5番・DH」で出場した。シリーズ記録となる1試合6打点の大活躍を収めたのは有名だが、シーズン中は主に左翼の守備に就くことの方が多かった。同シリーズで松井氏がDHで出場したのは第6戦だけだ。 不慣れなDHをこなすコツを、松井氏は知っている。 「セ・リーグのレギュラー選手たちは守備に就くことで試合の流れというか、リズムを掴むようです。DHは守備に就く時間をベンチで過ごすので、集中力が持続できないそうです」(前出・同) メジャーリーグでは「専任」としてDHを使うほか、いつもは守備に就くレギュラー選手を休ませる目的で使うこともある。いわば「半休」という形式で松井氏もDHを経験したわけだが、メジャーリーグのDHはベンチで休んでいるだけではない。 「ベンチ裏の映像ルームに行き、自身が打席に立った時の映像を確かめています。変化球を放られた場合、打席での印象を映像で確かめ、次打席に活かそうとしています」(米国人ライター) 今年の日本シリーズでDHを務めた亀井、ウィーラーは、主にベンチ裏の素振りエリアでバットを振っていた。「次打席に活かすための工夫」は同じだが、こんな声も聞かれた。「目の準備」だ。 「球場の照明設備は明るいLEDに変わっており、ベンチ内やその裏の素振りエリアに長くいると、グラウンドに出た瞬間、『眩しい』という印象を受けます」(前出・球界関係者) ワールドシリーズ第6戦での松井氏はベンチ最前列に陣取っていた。味方投手に声を掛けるためもあったが、明るいグラウンドに目を合わせていたようだ。 松井氏に近い関係者の話では、古巣を思う気持ちは強いという。しかし同時に、自身が表に出ることで余計な注目を浴び、現役選手に迷惑を掛けたくないとも思っているそうだ。巨人との距離ができてしまったのはそのせいだ。DHで頂点を極めた松井氏に連絡を取れば、惜しみなくその極意を教えてくれるはず。屈辱的大敗からのスタートとなる来年2月、松井氏の「臨時コーチ」をもう一度検討しても良いのでは…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年11月24日 11時00分
巨人、2年連続ストレート負けの可能性大? DH制対策だけじゃない、反攻に不可欠なパ・リーグ流打撃とは
巨人は球団史上ワーストの屈辱を喫し、立ち直ることができるのか…。日本シリーズ第2戦で福岡ソフトバンクホークスの打線が爆発し、日本シリーズ球団タイ、歴代3位となる13得点を叩き出し、力の差をまざまざと見せつけた。 >>巨人、直江・山下の自由契約は大補強の布石?「人的逃れの可能性もある」今オフ5人目の“育成落ち”に憶測飛び交う<< 原辰徳監督が1分にも満たない“怒りの声”を上げ、一方的に会見を打ち切ったのは既報通り(11月22日)。現在、巨人はシリーズ通算7連敗中(2013年第7戦~)、セ・リーグ覇者の意地を見せるには、“パ・リーグを模倣する”しかない。 「直前でのルール変更には驚きました。指名打者制(以下=DH)の申し出があれば、セ・リーグも同ルールを導入すべきというのが原監督の考えですから、受け入れると思われましたが、直前の変更ですからね。そこで、戦略の練り直しが必要になったのかもしれませんね」(ベテラン記者) 巨人側に同情する声も聞かれた。 今年の日本シリーズは全試合DH制と変更された。85年以来、35年ぶりだという。 「DHで起用された選手の差が、そのまま得点力に表れています」(前出・同) ソフトバンクのDHは、デスパイネだ。今季は新型コロナウイルスの影響で大幅に来日が遅れ、その後も両ヒザの痛みで2度の登録抹消もあった。絶不調だったシーズンの憂さ晴らしをするように、第2戦ではシリーズ史上21人目となる満塁ホームランを放つなど計6打点の大活躍であった。 対する巨人のDHは、ベテランの亀井善行。2試合を終え、ノーヒットだ。 「セ・リーグはDH制の野球をやっていません。選手の感覚だと、守備に就かないので、試合のリズムが掴めないようです」(球界関係者) DH、攻撃陣の差はそれだけが原因ではないようだ。セ、パ両リーグを経験した元投手のプロ野球解説者によれば、「配球」に関する考え方が大きく異なるという。 「セ・リーグのバッターは配球を読もうとするんです。パ・リーグは相手バッテリーの配球も考えますが、直球が来たらフルスイングという意識が徹底されています。巨人打線も相手投手の直球に力負けしないスイングをしなければ、第3戦目以降もアブナイ」 力負けしないフルスイング。パ・リーグ流の打撃ができなければ、2年連続ストレート負けの可能性がある。 また、全試合DH制となった85年の日本シリーズと言えば、「バース、掛布、岡田」の超強力打線で阪神が日本一に輝いている。当時、吉田義男監督が不慣れなDHを託したバッターは、ベテランの弘田澄男だった。全試合、2番DHで出場したが、22打数3安打。打撃優先のDHとしては物足りない数字だが、1番・真弓が出塁すると、犠打に徹した。しかし、1球ごとにバント、バスターなど、バットの構え方を変えて、相手バッテリーを混乱させていた。 投手が打席に立つセ・リーグでは、バントの成功率が勝敗を分ける。こちらは、「いつも通りの野球をやれば、セ・リーグもパ・リーグも関係ない」ということを証明した。 僅差のゲーム展開に持ち込み、中継ぎ陣を投入し、逃げ切る原野球だ。そのいつも通りのスタイルに持ち込むには、打線が先制点を取らなければならない。パ・リーグ流のフルスイングを徹底させなければ、セ・リーグ覇者の面目も丸潰れだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年11月19日 11時05分
巨人、今オフの狙いは投手と強打の外野手?「国内FA市場にも参戦するつもり」決戦の裏で外部補強は進行中か
原巨人が日本シリーズ第一戦の舞台となる京セラドームに移動した11月18日、球団は育成12位指名の選手との契約合意を発表した。これで支配下7人、育成12人の全指名選手の入団が確定した。確か、ドラフト会議当日、「育成枠なら進学する」とガッカリしていた高校生投手もいたが…。担当スカウトが粘り強く説得したのだろう。 発掘と育成の元年と称し、「3、4年後のドラフト1位を獲れた」とも球団幹部は話していたが、育成枠でこれから入団する投手が、本当に“菅野智之”になれるのだろうか。 「今年の巨人は、引退選手を含め、約20人の選手が解雇されています。大学に行って伸びる選手もいれば、たとえ育成でもプロ野球の世界に入った方が良い選手もいます。プロの世界で成功するかどうかは、やはり本人次第」(ベテラン記者) だが、今年の日本シリーズのカギを握りそうなのは、「育成出身の選手」のようだ。 「打線のキーマンは松原聖弥です。16年育成5位、2年目の18年途中、支配下に昇格しました」(前出・同) 今季中盤以降、スタメン右翼の座も勝ち取った。俊足堅守のイメージも強いが、関係者によれば、実際は違うそうだ。 「高校は強豪の仙台育英ですが、大学は首都リーグ二部の明星大学。高校時代はベンチ入りもできなかった年もありました」(球界関係者) 当時は、守備難の選手だったという。繰り返しになるが、肩は強く、俊足だ。しかし、打球判断がイマイチで、とくに後方のフライの目測を誤ることも少なくなかったそうだ。「俊足、強肩」の素材力で育成指名され、プロ入りした後で守備難を克服した。本人の努力もあるが、コーチ陣の辛抱強い指導が必要だ。 「原監督は『吉川尚、松原』の1・2番で臨むつもり。松原が出塁すれば、クリーンアップは長打を狙わずに済み、シングルヒットで得点を挙げられます」(前出・ベテラン記者) 京セラドームに到着するなり、報道陣はシャットアウト。出発前の東京ドームでの練習も非公開時間が長かったが、京セラでは攻撃に関するサインプレーの確認がされたという。吉川尚、松原が出塁することを大前提とした練習だろう。 >>巨人・原監督がコーチ陣に毎日説教?日シリを前に過熱する対策、厳重警戒する昨年の敗因とは<< 「外国人投手、外野を守れるスラッガータイプの助っ人を獲得する方向で現地担当者が動いています。国内FA市場にも参戦するつもり」(前出・同) 育成のチームへの舵を取ったが、外部補強も続けるようだ。何よりも、勝たなければ意味がない。 今年の日本シリーズも落とすようなことになれば、これからジャイアンツのユニフォームを着る新人たちのモチベーションにも影響してくる。原辰徳監督の責任は重大だ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年11月17日 11時05分
巨人・原監督がコーチ陣に毎日説教? 日シリを前に過熱する対策、厳重警戒する昨年の敗因とは
巨人・原辰徳監督が熱くなっている。11月21日の土曜日から日本シリーズが始まる。東京ドームで行われた全体練習では、打撃マシンを160キロに設定する“千賀対策”など具体的な対応策も見られた。 >>元巨人・笠原氏がファンに「ガタガタ言うな」阪神・藤川本人も呆れ、引退登板の“三振回避”を巡る議論に苦言<< 大方の予想は「ソフトバンク優勢」。原監督もソフトバンクの強力打線とリリーフ陣の層の厚さは分かっているはずだ。しかし、今年のシリーズ対決は“コーチスタッフの戦い”になりそうだ。 「練習開始前、原監督は約10分間の訓示をしています。その内容については明かされていません。球団広報にも口止めしていました」(スポーツ紙記者) 報道陣を締め出してのサインプレー、内野守備の確認などに約1時間半が費やされた。シリーズ直前に非公開となるのは、よくある話。異なるのは、原監督と各担当コーチの事前の打ち合わせだ。 「原監督はコーチ陣を呼び出し、お説教をしています」(球界関係者) 練習後の共同会見で、こうも語っていた。 「昨年はセ・リーグを勝つというところで、日本シリーズの準備、教育ができていなかったというのも、一つの反省。(去年のシリーズは)勢いで行ったけれども、なかなかその勢いだけでは…」 昨年は「準備不足」で負けたという。その準備がしっかりとできているのかどうかを確認するため、各担当コーチを呼び出したそうだ。これはソフトバンク側から聞いた話だが、19年は「巨人が日本シリーズにコマを進める可能性が高い」とし、交流戦を戦いながらデータを集めていたそうだ。また、主力級の投手たちは、通常とは異なる配球に徹し、シリーズ本番に備えたそうだ。 「実際、昨年のシリーズ中、スコアラーの持って来たデータとも異なる点もあったらしく、『何で?』の声が巨人選手から出ていました」(球界関係者) 今年は交流戦がなかった。自軍のスコアラーはソフトバンクの情報を集めてきたが、各担当コーチはそれを解析し、選手たちに伝えたのかどうかを原監督は確認したのだ。「足らない、準備不足」と思えば、カミナリも落としたそうだ。 「ミーティングを仕切っているのは、元木大介ヘッドコーチ。宮本和知投手チーフコーチがソフトバンク打線の対策を任されています」(前出・同) 両コーチとも、入閣当初は「タレントに指導が務まるのか?」と陰口を叩かれた。コミュニケーション能力の高さでチームをまとめてきたのは本当だが、今年の日本シリーズで真価を問われることになる。 エース菅野で初戦を取れば、チームの雰囲気も好転するのだが…。原監督が熱くなっている。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年10月28日 11時20分
失速中の巨人、屈辱の“4タテ”再来の危機? 原監督の意味深発言は苛立ちの表れか
DeNAに大敗を喫した後(10月27日)、巨人・原辰徳監督は、記者団からドラフト1位指名の平内龍太投手(亜大)の完投勝利を聞かされ、「今日、ウチに来て投げてくれれば良かったのに」と苦笑いした。 >>巨人・原監督に「若林のせいにするな」ファン激怒裏目に出たスクイズ指示、試合後コメントも物議<< 優勝目前での連敗だ。打線は適時打に欠き、新人王争いの真っ只中にいる戸郷翔征も満塁弾を食らうなど(5回5失点)、チームの調子は落ちているのは明白だ。「平内に投げてほしい」発言は敗戦ゲームへの悔しさから出たものだが、プロ野球界に選手を送り出すアマチュア指導者にとって、“最高の賛辞”になったようだ。 「東都リーグの真っ最中です。平内は東洋大戦に先発し、初回こそ失点しましたが、回を重ねるごとに良くなり、自ら志願して、9回のマウンドに向かいました」(アマチュア野球担当記者) 日程上、大学生は秋季リーグ戦の最中にドラフト会議を迎える。 その影響だろう。指名された選手は、指名されなかった選手の“嫉妬”に合う。ピッチャーが相手なら、プロ野球の世界に進めなかった悔しさをバントで返し、バッターが相手なら餞別代わりに「長打」をお見舞いしてやろうと必死になる。また、指名された側に変な緊張感が出て、本領を発揮できないという。 「巨人に1位指名され、最初の登板です。そこで完投勝利を飾ったということは、平内は精神的にも強く、指導者もしっかり教育してきたわけです」(前出・同) “指名後の洗礼”は今に始まったことではない。見方を変えれば、指名後に評価を上げる選手もいれば、その反対もいるのだろう。 「昨年、中日に4位指名された郡司裕也(慶大)は、指名後の4年生最後の秋季リーグ戦で三冠王を獲得しました。スカウト、中日首脳陣は彼に対する評価を上方修正し、そのまま開幕一軍となりました」(プロ野球解説者) 平内も故障さえなければ、開幕一軍入りとなりそうだ。 もっとも、足踏み状態の続く原巨人だが、同日の戸郷の敗戦は痛い。新人王争いはもちろんだが、24日の阪神戦ではエース菅野が負けているだけに、「先発ローテーションのエース、2番手が揃って調子を落としている。日本シリーズは大丈夫か?」の声も出始めた。 「菅野は開幕から続いていた連勝記録の精神的な疲労、戸郷も自身の勝敗がそのままチームの好不調に直結する緊張感の中で投げ続けてきました。優勝争いをするチームの宿命と言えば、それまでですが」(前出・同) 原監督は早く優勝を決めてしまいたいと思っているはず。令和の時代に根性論は合わないが、プロの世界では「最後はメンタル」だ。まだプロで1球も投げていない大学生を称賛した指揮官の言葉を、発奮材料に替えられなければ、今年の日本シリーズもヤバそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ
セ・リーグ、原監督肝いりの新制度を導入? 他球団監督はタブー視も、コロナ禍の影響が追い風となるか
2020年05月19日 11時40分
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侍ジャパン、次の指揮官は原監督が決める? 噂される日米球界の大物、まさかの電撃復帰もあるか
2020年05月14日 11時45分
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巨人・岡本が活動自粛を機に大化け? 原監督と違うタイプの4番に成長も、自分を貫く異例の練習メニューとは
2020年04月17日 11時40分
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巨人、ドラ1ルーキーの故障で編成面に激震? 原監督が下した決断、プロ野球の“古い習慣”を変革できるか
2020年04月03日 11時30分
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巨人、開幕再々延期で大ダメージ? 坂本への影響に本人より首脳陣が焦り、消滅するのは交流戦か
2020年04月01日 11時30分
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スポーツ
巨人、若手山下の復調で問題発生? 慣れない日本の野球に苦戦、海外選手との使い分けに苦悩は必至か
2020年03月31日 11時45分
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巨人、OP戦最下位でも優勝が期待できるワケ 阪神をまくった12年前、今シーズンは状況が酷似?
2020年03月18日 11時35分
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巨人・元木コーチ、モタのスタメン落ちを進言? 数試合沈黙が続く一方、原監督は他球団助っ人の粗探しに没頭か
2020年03月09日 11時40分
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スポーツ
大抜擢! 巨人・原監督が先発入りさせる19歳、「行ける」と思わせたきっかけは
2020年02月14日 11時30分
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スポーツ
巨人、レギュラー争いに“伏兵”が出現? 打撃・走塁で高評価、導入が検討される新制度にも影響か
2020年02月13日 11時35分
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スポーツ
原監督が追い求める理想のリリーバーは「背番号47」
2020年02月11日 17時30分
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スポーツ
巨人・原監督に“入れ知恵”をした人物がいた? 監督会議でのDH制提案、ソフトバンク王会長の発言にも影響か
2020年01月23日 11時30分
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スポーツ
巨人・原監督、開幕直前の助っ人獲得を示唆か レギュラー争いを踏まえた補強策、計画は昨年末頃から練られていた?
2020年01月21日 11時52分
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スポーツ
巨人、オフ補強失敗が意外なベテランに影響? 元木ヘッドコーチも期待、若手を差し置いての優先起用もあるか
2020年01月15日 11時57分
特集
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少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
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ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
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Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
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一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
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株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分