その他 2023年07月18日 22時01分
アルコールいろいろ~函館からの何かしら~ ブードルス編
今回もスコッチを紹介しようと思ったのですが、最近、お客様との会話の中でこんな話しが出て来ました。「スコットランドでジンは作ってないのかな???」と。お答えしましょう。・・・「有ります!」。しかも飛び切り美味いジンが御座います。その名も「BOODLES / ブードルス」です。ブードルスはスコットランドの《グリーナル蒸留所》で造られているジンです。特徴としては《減圧蒸溜方式》で作られています。これは日本の焼酎なんかでも使われている方法で、蒸留器内の気圧を下げてグレーンスピリッツを蒸留しています。減圧蒸留について説明しますと、標高が高い山でカップ麺を作ると麺が固いって話しは聞いた事が無いでしょうか?これは標高が高い山のように【気圧が低い状態】でお湯を沸かした場合、100℃より低い温度で沸騰してしまう為、乾麺が戻り切らないって事です。そして減圧蒸留はこの原理(沸点が低くなる)を利用しています。グレーンスピリッツを40℃~50℃くらいで沸騰させると、高沸点成分の気化を抑えられ、焦げ臭さなどの二次生成物を少なくする効果があります。前にも言ったかもですが【フーゼル油】がその代表です。*ゴミ臭とも言われてます。その結果、出来上がったお酒は口当たりも軽やかなお酒となるわけです。特徴の2つめはボタニカルに柑橘系が使われていない事です。以前紹介したイカ墨を使ったジン【BLANC DE NOIRS】と一緒です。甘みがあり奇麗な味わいでありながら、しっかりとした存在感を感じさせてくれる一品です。他のボタニカルとしてジュニパーベリーの他には、《コリアンダーシード》《キャラウェイシード》《カシア》《ナツメグ》などのスパイシー系ですが、フローラルな香りも含まれます。ブードルスは1762年にロンドンのセント・ジェームズ・エリアで設立された、世界で2番目に古い《ブードルス・ジェントルマンズ・クラブ/紳士クラブ》に由来しているそうです。セント・ジェームズ・エリアは現在でも多くのジェントルマンズ・クラブが立ち並ぶ通りとして知られ、ジェントルマンの聖地と呼ばれています。ブードルスは「仲間」の意味で、ヘッド ウェイターを務めたエドワード・ブードルの名を冠してブードルズクラブと呼ばれたという逸話もあります。そしてブードルスと言えば《毛利隆雄》氏でしょう。銀座の名店「毛利バー」。マティーニ100回ステアが有名な毛利氏ですが、そのジンにはブードルスが使われてます。現在は《季の美 毛利》を使い50回ステアとの記事を読んだことがありますが、このジンのレシピは、ブードルスのブレンダー《コリン・スコット》氏より譲られると言う驚きのレシピで、関係者(弟子)でしか入手する事は出来ないようです。ブードルスは2012年に一度終売となりましたが、翌年にオーナーが変わり復活いたしました。是非お試しくださいませ。本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。監修Bar ADDICT