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福田首相が小島よしお作戦!?

 福田康夫首相は3日、本格的論戦が期待された衆院代表質問をのらりくらりとかわした。低姿勢ながら質問とかみ合わない答弁に、野党はイラ立つばかりだった。永田町の一部では、この戦術を“小島よしお作戦”と命名。海パン一丁で踊らないまでも老かいな福田氏は、ハナから腹の中では「そんなの関係ねえ!」とぶった切っているというのだ。
 所信表明に対する代表質問を終えた民主党の鳩山由紀夫幹事長は、記者団に囲まれると、福田首相への不快感をあらわにした。
 「首相は完全に『官僚答弁』に終始した。官僚と政治の癒着が問題との思いで質問したのに、全部役人が作った答弁を繰り返した。都合が悪くなると『民主党とも協議して』と自分たちの考えを言わず“クリンチ作戦”で逃げた」と猛批判。

 来年度予算の歳出削減予定をたずねた同党・長妻昭政調会長代理は「あれほど抽象的な答弁は歴代首相のだれからも聞いたことがない」とカンカンだ。社民党の福島瑞穂党首は「空疎で誠意がない。ビジョンもなく役所の作文を読み上げただけ」と噴火寸前だった。
 民主党に「話し合い」を呼びかけながら具体論には踏み込まない福田氏の手法について、永田町関係者は「老かいのひとことにつきる。柔和な顔つきで、腹では『そんなの関係ねえ!』と踏み倒している」と指摘する。
 「そんなの関係ねえ!」といえば、大ブレイク中の海パン芸人・小島よしおの決めゼリフ。都合の悪いことすべてを「でも、そんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!はいっ、おっぱっぴー」で片付けてしまうノリ芸だ。
 「小島よしおと首相の“芸風”は同じ。最初からフィニッシュは『関係ねえ!』に決まっている。まともに答弁する気はなく、もったいをつけて丁寧な言葉でしゃべっているだけ。面従腹背の“小島よしお作戦”だ」(前出の永田町関係者)
 実際、政策論争は全くかみあわなかった。
 鳩山氏が「直近の民意は参院にある。福田内閣は民意を受けていない」と解散を迫ると、「政治にいま求められているのは解散ではない。国民の声を真摯に受け止め、きめ細かく対応していくことだ」(首相)と逃げた。
 国民の最大関心事である年金問題では、鳩山氏が年金制度の一元化などを主張。与党案を示すよう促したが、「与野党の立場を超えた議論が行われることが重要だ」(首相)とまともに取り合おうとしなかった。
 政治とカネの問題では、1円以上の支出に領収書添付を義務付ける政治資金規正法の再改正について「自民が反対するのは、首相や閣僚の政治資金に問題があるからだ」と迫る鳩山氏を「チェックする仕組みをつくることを検討すべきだ」(首相)と脱力答弁で退けた。
 一事が万事、こんな調子。民主党が掲げる「自立と共生」をパクって悪びれない福田氏が、今度は小島よしおの「関係ねえ!」を地でいく戦術を展開したわけだ。
 当の福田氏は代表質問をすべて終えた同日夕、首相官邸で記者団にこう感想を述べている。
 「いやあ忙しかったですね。たくさんあってね、全部でね、1人の議員で80問あったかな。でも少しまとめて50問ぐらいに整理してお答えしましたけどね。大変でした。まあ私もこういうのあんまり経験ないからね。ていうか初めての経験ですからね。もう何でもお受けしますよ。丁寧にお答えすると。まあそう思っています」
 終わった途端にこのハイテンション…。切り替えのギャップまで「おっぱっぴー」のノリだ。しかし、人を食ったようなこの作戦がどこまで通用するか?福田氏は4日午前、与野党逆転の参院で代表質問を受ける。

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