コトの発端は、先場所の白鵬の相撲内容にある。立ち合いに“かちあげ”というよりは“ヒジ打ち”“張り手”を連発し、場所後、横綱審議委員会が「見苦しい」と苦言を呈し、相撲協会に指導を要望したことに端を発する。
しかし、白鵬は全く意に介さず、巡業で沖縄を訪れる際、「10月に焼失した首里城の再興を祈願して土俵入りをしたい」と言い出した。
趣旨そのものは悪くない。問題はやり方だ。協会には事前に了解も取らず、「横綱土俵入りには、四股を踏んで地の邪気を払うという意味がある」とマスコミを通じて主張するが「その前に、もっとやるべきことがあるだろう」と協会関係者は猛反発。ついに土俵入りはお流れになった。
「相撲協会の反応に、白鵬も悟るところがあったのでしょう。この後、急に言動がおとなしくなりました。協会に盾突いてばかりいると、念願の一代年寄をもらい損なう恐れがある。そうなっては、何のために日本国籍を取得したのか分かりませんからね」(担当記者)
態度急変の1つが12月7日、聖火リレーの墨田区代表の1人に白鵬が推薦されたときの発言だ。白鵬にとって東京五輪は憧れの舞台。前回の東京五輪に実父の故・ムンフバトさんが出場したこともあって、これまで何度も「そこまで現役で頑張って土俵入りをして、親子共演をしたい」と、口にしてきた。大いに喜んでいいはずだったが、「(まだ相撲協会からは何も言われていないので)何も言えない」と、口をつぐんだのだ。
沖縄では過激発言を控え、優等生そのもの。だが、関係者は、この豹変がいつまで続くのかと見ている。まだまだ“問題横綱”の動向から目が離せそうにない。