勝率5割ラインを行ったり来たり、これが北海道日本ハムファイターズの現状だ。主砲の中田翔(31)は両リーグ一番乗りとなる20号本塁打を放つなど好調をキープしているが、チームは波に乗り切れずにシーズンの半ばを迎えた…。
「昨季は5位に低迷し、栗山英樹監督(59)は辞意をほのめかしていました。球団が慰留し、何とか踏みとどまりましたが…」(スポーツ紙記者)
栗山監督がチームを率いて今季で9年目。若手の育成、選手思いの言動、将来の主砲候補である3年目の清宮幸太郎が一人前に育っていない以上、「続投」も致し方ない選択だろう。しかし、「その次は稲葉篤紀監督(48)」なる声も“規定路線”のように伝えられてきた。
「今年4月、新球場の竣工式があって、栗山監督と稲葉氏が揃って出席しています。稲葉氏は日本ハム内に『スポーツ・コミュニティ・オフィサー』の肩書もあるので、不自然なツーショットではありません。でも、『次は稲葉氏』の印象をさらに強めました」(同)
そもそも、球団が栗山監督の続投に固執した理由についても、稲葉氏が影響していた。
稲葉氏は現在の侍ジャパンの指揮官だ。その契約期間は「東京五輪まで」だった。「’20年は栗山監督、’21年は代表監督を退いた稲葉監督」と見られていたが、こちらも新型コロナウイルスの感染拡大により、状況が変わってきた。
「五輪が1年延期されたことで、稲葉監督の任期も1年、自動延長となりました。ただ、永田町界隈では『五輪中止の正式発表はタイミングの問題だけ』なんて声もあるんです」(同)
中止の噂は日本野球機構(NPB)にも届いていた。だが、発表のタイミングを間違えれば、経済界や市場にも大きな混乱をきたす。そのため、「ギリギリまで発表しない」との見方も一部であり、そうなれば、稲葉代表監督は“有名無実化”する。そこで出てきたのが、日本ハム指揮官の「兼任案」なのだ。
「故障者続出など栗山監督には同情すべき点も多いが、長期政権によりチームの覇気が薄れている。侍ジャパンだが、このご時世、国際試合なんて開催できない。稲葉氏の肩書は代表との兼任になるが、事実上の日本ハム専任監督。栗山監督をこれ以上引き止めたら、優勝2回、日本一1回の経歴まで汚すことになる」(球界関係者)
チームの精神的主柱でもある中田は稲葉氏を「アニキ」として慕っている。中田の好調さがキープできるのなら、「代表兼任監督」にも問題はないはずだ。