「力士たちが訴えたのは、女将のパワハラ、モラハラでした。師匠の式秀親方(元幕内・北桜)が高血圧による体調不良で弟子たちに指導できなくなり、女将に“師匠代行”を命じたところ、男顔負けの強権を発動。行き過ぎた指導に音を上げたのです」(担当記者)
式秀部屋の女将は福岡県でも有数の進学校の出身で、陸上でインターハイにも出場経験があるという。
「卒業後は銀座の高級クラブで働いていたそうですから、完璧主義者なのかもしれません。長文のLINEで指示を出し、ちょっとでも返事が遅いと『クビにするぞ』と脅す。後援者から新米の差し入れが来ても自分の親戚などに配り、弟子たちには安い古米を食わせる。一事が万事この調子で、弟子たちが逃げ出すのも当然です」(同)
相撲界では、「親方はお父さん、女将はお母さん代わり」といわれるが、もっとひどいケースもあるという。
「まるで自分専用の使用人のようにこき使う女将もいます。力士も、女将に嫌われると部屋にいられませんから、従わざるを得ません。師匠が留守がちなのをいいことに、セックスの相手までさせる女将もいます。最近も、元横綱がいた部屋の女将が、弟子との不倫セックスがバレて離婚しましたからね」(協会関係者)
ところが、今回の式秀部屋の女将に関して、相撲協会からは「お咎めなし」の裁定が下った。
「表向きの理由は、『女将は協会とは関係ない人間だから処分できない』というものですが、相撲協会の幹部は部屋持ち親方ばかり。うっかり立ち入れば、自分の足元に火がつきかねないと恐れているのかもしれません」(前出の担当記者)
逃げた9人の力士も協会の説得を受けて部屋に戻り、稽古を再開しているというが、さぞかし居心地が悪いことだろう。