「大会4日目に、昨年夏の甲子園で決勝を戦った履正社(大阪)と星稜(石川)が対戦。6日目は大阪桐蔭と東海大相模(神奈川)の東西横綱同士の激突が控えています」(アマチュア野球担当記者)
プロ注目の好投手としては明石商(兵庫)の中森俊介や、昨秋の神宮大会を制した中京大中京(愛知)の高橋宏斗が挙げられる。見どころ満載の一方で、これまでの経緯から特異な大会になることは避けられない。
「昨夏の甲子園にも出場した強豪校の練習を取材しましたが、内野ノックでの送球が全体的に高いという印象を受けました。6-4-3の併殺プレーで、最後の一塁送球が胸の高さに来るんです。ベルトの高さでないと、一塁手は体を伸ばして捕球できません。活動休止による練習不足は明らかで、記録に残らないミスが多く出るかもしれません」(スポーツライター・美山和也氏)
練習不足は監督も承知の上。夏の甲子園大会が中止となった時点で、3年生はジ・エンドだった。それが都道府県のみの大会、交流試合の開催が決まり、3年生はグラウンドに再招集されたのが実情だ。勝ち上がるのではなく、思い出づくりが主眼となるだろう。
「指導者も3年生全員を出場させたいはず。細かいチームプレーを捨てた選手がフルスイングし、投手は得意なボールだけを投げるのですから、ノーガードの打ち合いが必至です」(同)
大学、社会人、プロに進む者もいるが、高校で完全燃焼と決めている球児が大多数。彼らがこれまでの努力と鬱憤を爆発させれば、例年以上に面白い大会になるだろう。