そんな中、かつて中田英寿や都並敏史がベルマーレ平塚時代に在籍していた湘南ベルマーレが、深刻な経営危機に見舞われているという。
「頼みの綱だったRIZAPグループ(以下ライザップ)からスポンサー料が支払われておらず、資金繰りが悪化しているのです」(湘南ベルマーレ関係者)
フィットネスジムを展開するライザップは2018年に湘南ベルマーレの経営に乗り出し、当時の筆頭株主だった三栄建築設計と合弁会社を設立。ライザップの瀬戸健社長は「これまで培ったトレーニングのノウハウを活用し、ベルマーレの結果にコミットできる」としてサッカー業界に参入し、3年間で10億円の資本を投じる最大スポンサーとなっていた。
しかし、赤字企業を買収しまくる無茶なM&Aを続けてきたライザップは、買収企業の事業再編が計画通りに進まず、2019年3月期(国際会計基準)に約194億円の巨額赤字を計上。20年3月期連結決算も約60億円の赤字で、2期連続となる大幅赤字を計上している。
「これまでは主力のフィットネスジムの現金収入を当てにしていたが、コロナ禍で新規会員どころか既存会員も退会や休会が相次ぎ、現金が入ってこない。このままでは金融機関への返済も厳しく、スポンサー料を払える余裕はないですよ」(元ライザップ社員)
Jリーグ関係者は先行きを懸念する。
「J2の試合が再開されたとはいえ、8月以降もスタジアムの動員は半数程度にとどめる方針で、チケット収入は前年比50%以下になりそうです」
1998年には主要スポンサーの撤退で、横浜フリューゲルスが消滅した歴史的事件もある。業績にコミットできず経営危機に陥っているライザップが、約3億円とみられるスポンサー料を支払えなければ、悪夢が繰り返されることになりそうだ。